「やるな」と言われるとやりたくなる心理の正体とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス】


ダメと言われるとやりたくなるのはナゼ?
【心理的リアクタンス】
自由を取り戻そうとする心理
「入っちゃダメ」と言われると逆に入ってみたくなる、という心理が人にはあります。入ってはいけないと頭でわかっていても、「入っちゃダメ」と言われるとその判断が揺らいでしまう…これは「心理的リアクタンス」という現象で、認知バイアスの1つです。
なぜダメと言われると逆にやりたくなってしまうのでしょうか。それは、本来あるべき選択や行動の自由を制限されたときに、その自由を取り戻そうとする心理が働くからです。入ろうと思えば入れるのに「入っちゃダメ」と制限されることで、それに抗あらがう反発心が生まれて、むしろ入りたくなってしまうわけです。
同様に、「〇〇しなさい」と言われると逆にやりたくなくなるのも心理的リアクタンスです。「ちゃんと勉強しなさい」と言われて、かえって勉強する気が失せてしまった経験はありませんか?これも行動の自由を制限されることで、その自由を回復しようとする心理です。
そのほか、手に入りにくいものほど逆に欲しくなるのも心理的リアクタンスの一種です。
以上のように、本来あるべき自由に制限がかかると、判断力に影響が出てしまいます。言われたことに抗いたくなったときは、心理的リアクタンスを一度疑ってみましょう。
自由を制限されると判断力が欠如する
心理的リアクタンス = 自由を制限されるとむしろそれに逆らいたくなる心理
禁止されるとむしろ立ち入ってみたくなる

命令されると自由を侵害された気がして抵抗したくなる

心理的に判断を誤りやすい➡【認知バイアス】
希少性に惹かれるのも心理的リアクタンスの一種
入手する自由が制限されることでより欲しくなる

【正常な判断力を失いやすい】

参考文献
- Jack Brehm, A Theory of Psychological Reactance, Academic Press, 1966.
- Daniel Kahneman and Amos Tversky, “Prospect Theory: an Analysis of Decision Under Risk,” Econometrica: 47, 263-291, 1979.
- 深田博己(編著)『説得心理学ハンドブック』北大路書房、2002年。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス』監修:高橋 昌一郎
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス』
監修:高橋 昌一郎
「認知バイアス」は物事の判断が、偏見や先入観、歪んだ情報・データ、個人的経験則・記憶、思い込みなどによって、非合理的になる心理現象。社会学(社会心理学)や経済学(経済行動学)、論理学、認知科学など幅広いジャンルで研究されている。
本書では、数ある「認知バイアス」から、「確証バイアス」「正常性バイアス」「同調性バイアス」「希少性バイアス」をはじめ「ハロー効果」「ダニング=クルーガー効果」「プロスペクト理論」「スリーパー効果」など、読者の関心や興味が強いと考えられるもの、身近で陥りやすい危険の高いもの、知っていると生活にも役立つものを中心に厳選して、図解でわかりやすく伝える。
フェイクニュースや詐欺的行為や犯罪が蔓延し、AI技術の向上などによって、「何が正しいか」わかりにくくなった現代の世の中で、賢く生きていくためには必須の知識!