占いがよく当たるワケは“心理の錯覚”? バーナム効果とは【眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス】

なぜ占いは当たるのか?
【バーナム効果】

占い師がよく使うテクニック

あなたは占いを信じるほうですか?これだけ科学が発達しても、テレビでは毎朝占いが流され、占いビジネスはネットでも大人気です。

実は、この占いの内容にも認知バイアスが働いています。

たとえば、「あなたはときどき自信をなくして落ち込んでしまうことがありますね」と言われたらどうでしょう。多くの人は「その傾向はあるかもしれない」と感じるはずです。なぜなら、それは実際に大多数の人が経験していることだからです。

このように、多くの人に当てはまるようなことを告げられたとき、それを信じてしまう傾向があることを「バーナム効果」といいます

その根底にあるのは、人は自分に都合のよいものを集めて、都合のいいように解釈してしまうというバイアスです。

もちろん、占いの結果を信じて、自分を励まし、欠点を直すというようなことがあれば、それは有用でしょう。しかし、逆に悪い占いを信じて、自信をなくしてしまうようなことがあれば、それは避けなければなりません。

占いの内容には、バーナム効果が使われていること、自分が信じてしまいがちになるのはその影響下にあることを認識して、正しく理解することが大切なのです。

占い師の言葉は多くの人に当てはまる

【バーナム効果】
誰にでも当てはまるようなことを言われたとき、自分のことを言い当てられたように感じてしまうこと

多くの人に当てはまる言葉の例

  • あなたは、努力は必ず報われるわけではないと考えていますね
  • 他の人の気持ちを考えずに相手を傷つけてしまったことがありますね
  • 好きな色のアイテムを身につけているとよいことがあります
  • 自分は「運がよいほうだ」と思っていますね

バーナム効果というものがあり、その影響を受けてしまう
ということを認識した上で、考え、行動することが重要

参考文献

  • 菊池総/谷口高士/宮元博章 編著『不思議現象:なぜ信じるのかこころの科学入門』、北大路書房、1995年。
  • Hans Eysenck and David Nias,Astrology:Science or Superstition? Temple Smith,1992.[H.J.アイゼンク/ D.K.B.ナイアス(岩脇三良・浅川潔司共訳)『占星術:科学か迷信か』誠信書房、1996年。]
  • Paul Meehl,“Wanted-A Good Cookbook,”Ametixan Psycologist:11,263-272,1956.

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス』監修:高橋 昌一郎

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス』
監修:高橋 昌一郎

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「認知バイアス」は物事の判断が、偏見や先入観、歪んだ情報・データ、個人的経験則・記憶、思い込みなどによって、非合理的になる心理現象。社会学(社会心理学)や経済学(経済行動学)、論理学、認知科学など幅広いジャンルで研究されている。

本書では、数ある「認知バイアス」から、「確証バイアス」「正常性バイアス」「同調性バイアス」「希少性バイアス」をはじめ「ハロー効果」「ダニング=クルーガー効果」「プロスペクト理論」「スリーパー効果」など、読者の関心や興味が強いと考えられるもの、身近で陥りやすい危険の高いもの、知っていると生活にも役立つものを中心に厳選して、図解でわかりやすく伝える。

フェイクニュースや詐欺的行為や犯罪が蔓延し、AI技術の向上などによって、「何が正しいか」わかりにくくなった現代の世の中で、賢く生きていくためには必須の知識!

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