「前に進む力」はどのようにつくられるか【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】


「前に進む力」はどのようにつくられるか
航空機とヘリコプター、鳥の違いとは
鳥は翼を巧みに動かして、空気を切ることによって付け根から中程あたりの翼で揚力を、翼の先端部分で推力をつくっています。
鳥は翼一つで、揚力と推力の両方をつくり出して自由に空を飛んでいるのです。
同じようにヘリコプターも、翼だけで揚力と推力をつくっています。その原理は竹とんぼと同じで、翼を羽ばたく代わりに回転させることで、揚力と推力をつくっています。翼を回転させながら空を飛ぶため、ヘリコプターのことを回転翼航空機とも呼んでいます。
回転ではなく、固定翼航空機と呼ばれている飛行機は、その名の通り翼が固定されているため、羽ばたくことはできません。翼で空気を切るためには、羽ばたく代わりに前に進まなければなりません。一番簡単な前に進む方法は、高いところから飛び降りることです。地面に到着する前に十分な揚力を得ることができれば成功です。
ライト兄弟が自動車のエンジンを利用して、プロペラを回して飛んだのが、平地から飛び立つことができた最初の飛行でした(1903年)。その30年後にはジェット・エンジンの歴史が始まり、今では旅客機の主流となっています。
ジェット・エンジンの原理は、簡単にいえば、膨らんだ風船が飛ぶ原理と同じです。ただ風船は空気を使い切ったら飛ぶことはできませんが、ジェット・エンジンは大量の空気を吸い込んで後方に加速して噴出するので、周りに空気がある限り飛ぶことができます。このように空気を噴射することを英語でジェットということからジェット・エンジンと呼ばれています。
前に進む力



【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治
「飛行機はなぜ、どうやって空を飛べるのか」という基本から、最新の知識、身近な航空雑学まで、飛行機の魅力をたっぷり図解でわかりやすく教える一冊。
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