空気を操る力学!風船とジェットエンジンの共通点とは【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

風船を飛ばす空気の力の大きさ

ジェット・エンジンの原理を探る

自動車はエンジンがタイヤを回転させて走りますが、タイヤが回転するとなぜ走れるのでしょうか?

それは道路とタイヤの間に摩擦力(まさつりょく)があるからです。タイヤが回転すると、タイヤが道路を後ろに蹴ることによって、道路からの反作用の力で前に進むことができます。

同じように風船も反作用で飛んでいます。風船の口から空気を噴出した反作用の力で、口とは反対側に飛びます。反作用の大きさは、風船の口から噴出する空気の量や速度によって違います。単位時間あたりの空気の量が多いほど、または空気の出る速度が速いほど、より速く、遠くまで飛ぶことができるのです。このことから

風船を飛ばす力の大きさ=単位時間あたりの空気の質量×噴出速度と表すことができます。

膨らました風船の口から、勢いよく空気が噴出するのは、風船内部の圧力が外よりも高いから。ということは、圧縮空気には仕事をする能力、つまりエネルギーがあることになります。ただし、風船は内部の空気を使い切ったら、飛ぶことはできません。

そこで、回りの空気を吸い込んで圧縮し、噴出すれば連続して力を出すことができます。その大まかな仕組みは下図です。

連続して圧縮するには、熱エネルギーを利用してタービンを回します。タービンは、圧縮機を回し、空気取り入れ口から空気を吸い込んで圧縮します。圧縮した空気に熱エネルギーを加えて、タービンを回し、まだ残っている圧縮空気を排気ダクトから後方に噴出する、という仕組みです。

圧縮空気には仕事をする能力がある

圧縮した空気には仕事をする能力(エネルギー)がある
圧縮した空気には仕事をする能力(エネルギー)がある
(風船を飛ばす力)=(単位時間あたりの空気の質量)×(噴出速度)

ジェット・エンジンの大まかなしくみ

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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