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待ち伏せが得意な地上最大の肉食動物【ハンター生物の話】

Text:今泉忠明

ホッキョクグマ

フワフワの白い毛におおわれた大きな体をユッサユッサと揺らしながら歩く姿が愛嬌たっぷりで、動物園でも大人気のホッキョクグマ。しかし、そのイメージとは裏腹に、クマ科の中では珍しく肉食を好む、地上最大のハンターです。

極寒の地に棲むホッキョクグマのターゲットは、アザラシやイルカ。時にはセイウチやクジラなどの大型海獣を食べることもあります。最も、セイウチやイルカはホッキョクグマより体が大きいこともあり、めったなことでは狩りが成功しません。特にセイウチは長くて鋭い牙があり、返り討ちにあうことさえあります。そのため、これらの大型海獣は狩りをして食べることより死肉を食べることのほうが多く、死んだクジラが氷原に打ち上げられるとホッキョクグマにとってはラッキーなご馳走となります。

ホッキョクグマが獲物をとる方法はいくつかあります。その中でもユニークなのが待ち伏せ大作戦。アザラシは氷の下を泳ぎながら、息継ぎのための呼吸孔から時折顔を出します。ホッキョクグマはそのそばの氷上でじっと待ち、獲物が穴から顔を出した瞬間に鉤型の鋭い爪で一撃。氷上に獲物を放り投げて捕獲します。時には数日間もじっと待つこともあり、驚くほどの忍耐力の持ち主と言えます。

ホッキョクグマは陸上動物の中で最も嗅覚が優れたものの一つで、30㎞も離れた場所にいる獲物のにおいをかぎ分ける能力があると言われます。泳ぎも得意で、海中にもぐって獲物を追うこともあり、氷上でも海中でも自在に狩りができる能力を備えています。厳しい自然の中で餌を得る能力を神様が与えてくれたのかもしれません。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。

図解シリーズで解説するハンター生物の話‼
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単に子ども向けの図鑑ではなく、イラストと文章できちんと動物の生態を解説。
動物が生きるために、どのような工夫をしているのかを紹介します。

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