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硬い皮膚と鋭い爪で敵なしのサバンナの最恐動物【ハンター生物の話】

Text:今泉忠明

ラーテル

ラーテルはイタチの仲間で、別名をミツアナグマと言います。食に関して非常に貪欲でなんでもよく食べますが、中でもハチミツに目がありません。ハチの巣を見つけると、ハチに刺されることも恐れず、蜜を舐め続けます。

ラーテルは、蜜を得るためにミツオシエなどの鳥類と共生関係にあるという説があります。ミツオシエは空を飛びながらハチの巣を見つけると、鳴き声でラーテルにそのありかを知らせようとします。ミツオシエについて行ったラーテルはハチの巣を壊して蜜を舐め、ミツオシエはおこぼれの蜜蝋にありつくのです。しかし、本当に共生関係にあるかどうかは定かではなく、はっきりとしたことは分かっていません。実際に、ラーテルがハチミツを舐めた後にミツオシエが蜜蝋を食べることはあるものの、それが互いに協力しようという意思に基づいた行動とは言い切れないようです。

ラーテルのハンターとしての武器は、穴を掘るのに適した爪と鋭い牙です。ミーアキャットやネズミの巣穴を掘ってこれらを捕食したり、牙でカメの甲羅を噛み割って食べたりします。ラーテルは気性が荒く、特に繁殖期になると、捕食こそしませんがライオンやアフリカスイギュウなどに攻撃をしかけることもあります。ラーテルが強気でいられるのは、その強靭な皮膚のおかげです。皮膚はブヨブヨとしていて弾力があり、ライオンの牙やカギ爪でも引き裂くことができません。さらには、危険を感じると臭腺から強烈な臭いを発して敵から逃れます。また、ヘビの神経毒に対しても強い耐性を持つため、コブラの毒牙をも恐れません。そのため、ギネスブックに「世界一怖い物知らずの動物」として登録されています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。

図解シリーズで解説するハンター生物の話‼
ライオン、大鷲、ホオジロザメなど陸・海・空・川のハンター生物の狩りの方法をイラスト付きで紹介する一冊です。
単に子ども向けの図鑑ではなく、イラストと文章できちんと動物の生態を解説。
動物が生きるために、どのような工夫をしているのかを紹介します。

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