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どんな獲物も絞め殺すアフリカ最強のヘビ【ハンター生物の話】

Text:今泉忠明

アフリカニシキヘビ

アフリカニシキヘビはサハラ砂漠以南のアフリカに生息します。アフリカ最大のヘビで、大きなものだと7mを超えます。夕方や夜、明け方に活動することが多く、水辺を好み、泳ぎも得意です。サバンナの河川や湖、湿地などの近くにいることが多く、水辺に身を潜めて鼻と目だけ水面から出してじっとしています。こうして獲物を待ち伏せし、水を飲みに来た動物にいきなり噛みつくのです。アフリカニシキヘビの曲がった長い歯は毒こそありませんが、獲物に深い傷を負わせます。そして全身筋肉に覆われた体で獲物に巻き付いて締め上げると、大きな生き物でも身動きができなくなり、やがて心臓が止まります。絞め殺した後はもう抵抗される心配がないので、ゆっくりと丸飲みします。アフリカニシキヘビはあごの関節がやわらかく、大きく口を開ければ相当大きな動物でも楽々と飲み込むことができます。そのため、アフリカニシキヘビの狩りは獲物の大小を問いません。インパラやヤマアラシ、ワニなど、自分より体の大きな獲物を捕食することもあります。一方で食後は無防備になるのか、大きい獲物を獲った直後に野生のイヌ類やハイエナ、ヒョウなどに襲われて食べられることもあります。また、何も食べずに長期間過ごすこともでき、2年以上絶食しても生きていたという記録もあります。

まれに人を襲うケースもあり、子どもが命を奪われる事故も起きています。日本では動物愛護法によって特定動物に指定され、ペットとして飼うには許可が必要ですが、獰猛で人にもなつかず、扱いきれなかった飼い主が手放す例も海外にはあるようです。マニアが多い生き物ですが、身勝手な人間に振り回され、気の毒な面もあるのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。

図解シリーズで解説するハンター生物の話‼
ライオン、大鷲、ホオジロザメなど陸・海・空・川のハンター生物の狩りの方法をイラスト付きで紹介する一冊です。
単に子ども向けの図鑑ではなく、イラストと文章できちんと動物の生態を解説。
動物が生きるために、どのような工夫をしているのかを紹介します。

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