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鋭いカギ爪を出しながら水辺にダイビング【ハンター生物の話】

Text:今泉忠明

ミサゴ

ミサゴはタカやトビに似ていますが、お腹が白く輝くように見えるため地上からでも見分けるのは簡単。翼は細長く、空中から急降下して獲物をとることから「魚鷹」の異名を持っています。また、英名を「オスプレイ」といい、軍用機の語源にもなっています。

魚のみを獲物とするため、生息地は海や川、湖の周辺。水面の光が反射するのを抑えるための特殊な目を持っていて、上空からでも水中の魚を見つけることができます。また、時には水中に飛び込んで獲物をとることもあるため、羽毛が水を弾くよう油分で覆われています。

ミサゴは、木の上に止まって水面を見据えたり、上空を旋回したりしながら獲物となる魚を探します。獲物を見つけたら、激しく羽ばたきながら停空飛翔し狙いを定めます。タイミングを見計らって急降下し、水面に着く直前に鋭いカギ爪を出して獲物をわしづかみ。カギ爪が脳に食い込み獲物が動きを止めると、瞬時に握りつぶしてしまいます。ミサゴの狩りの成功率は60~70%と高確率だと言われていますが、まれにつかんだ獲物が大きすぎて飛び上がれず、溺死してしまうこともあるのだそう。ボラやスズキ、マスなど大型の魚も果敢に捕まえにいくので、こうした事故は起こりがちだといいます。

また、ミサゴが狩りをするのは、メスへのアピールでもあると言われています。メスを見つけると、捕獲した魚を運びながら力強く羽ばたき、鳴き声をあげながら空中をディスプレイ。メスの視線を釘付けにしたいのか、300m以上も急上昇したり、停空飛翔したりしながら5~6分ものう間獲物を見せびらかします。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。

図解シリーズで解説するハンター生物の話‼
ライオン、大鷲、ホオジロザメなど陸・海・空・川のハンター生物の狩りの方法をイラスト付きで紹介する一冊です。
単に子ども向けの図鑑ではなく、イラストと文章できちんと動物の生態を解説。
動物が生きるために、どのような工夫をしているのかを紹介します。

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