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コツコツと木を叩いて虫の居場所を探し出す【ハンター生物の話】

Text:今泉忠明

キツツキ

キツツキの仲間はとても多く、世界中に254種もいると言われています。ほとんどは鋭く尖ったくちばしで木に穴を開け、中にいる虫を捕食します。キツツキは、くちばしで木の幹をコツコツと叩くだけで中に昆虫や昆虫の幼虫、クモなどの獲物がいるかどうかを判断します。獲物がいると分かれば、くちばしで厚い樹皮を剥がして穴を開けます。そして、長い舌を使ってつまみ出し捕食するのです。

キツツキは前後に2本ずつ開くしっかりした脚を持っていて、垂直に木の幹に止まり、上下に自由に動くことができます。また、軸が硬い尾羽も体を支えているため、つついたり捕食したりしながら安定して木に止まっていられるのです。

キツツキが木をつつくのは、獲物を探しているときだけでありません。「タララララ」と軽やかに叩いているときは、縄張りアピールをしているのだそう。このドラミングという行為は、異性へのアピールのためにも行います。

獲物探しや縄張りアピールなど何かと木をつついているキツツキですが、意外にもくちばしや脳がダメージを負うことはありません。キツツキの脳はとても小さく、頭蓋骨にぴったりと収まっているため脳が揺さぶられない構造になっているのです。木とくちばしの接触時間も0.5~1mm秒ととても短く、脳を守る要因の一つと考えられています。

また、キツツキのくちばしはとても丈夫で、くちばしとアゴをつなぐ筋肉も非常に発達していて衝撃を吸収・分散してくれます。さらに長く伸ばせる舌を持つことで、ダメージを負わずに効率よく獲物を捕らえることができるのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。

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