警戒心はしっぽを振るスピードと比例する
犬の気持ちは、しっぽがどちらを向いているかによって、ある程度わかります。たとえば上向きにしっぽを立て、ゆっくり振っているのは自信満々なとき。「自分は偉いんだ!」と思っていますから、「かわいいね」などと頭やお腹をなでようとすると、「格下のお前が何をするんだ!」と反発され、ガブリとやられる可能性があります。
ただし、この場合のガブリは、「オレのほうが偉いんだから、そんなことやめておきな」というサインを相手に与えようとしているだけで、ひどいケガを負わされることはないようです。
同じ上向きでも、しっぽを小刻みにせわしなく振っているときは、警戒しています。初対面の犬がしっぽを振って近づいてくることがありますが、これは歓迎しているのではなく、「なわばりに入ってきたのはいったい誰だ?」という警戒の態度なのです。
しかし年月が経つとともに、人々は仏像の方に心を動かされるようになっていきます。この変化が、伽藍の配置にも影響を与えたのです。
こんなときに「かわいいワンちゃんだね。よしよし」などと手を出すのは危険です。しかも、このときのかみ方は本気ですから、相手が小型犬でも安心はできません。
このように、犬の気持ちはしっぽを振るスピードからある程度わかります。具体的には、犬の警戒心の強さは、しっぽを振るスピードと比例していると考えてください。つまり、小刻みにブルブル震えるように素早くしっぽを振っているときには、かなり警戒心が強いということです。
ただし、だんだん振り方がゆっくりするのは警戒心が薄れつつある証拠ですから、あなたのことを受け入れようとしていると考えていいでしょう。いずれにしても個体差がありますから、けっして振り方ひとつですべて同じ意味ということではありませんので注意してください。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.02