口角が上がっているのも、うれしさの表現
犬がうれしい気持ちを表すとき、しっぽはどんな動きをするのでしょうか。まず、しっぽの向きは少し下向きになります。そして、腰を少し落として円を描くように振るのがうれしいときです。
しっぽのどこが動いているのかにも注目してください。うれしいときや飼い主や他の犬と仲良くしたいと思っているときには、付け根からしっぽをブンブン振っているはずです。
逆に、しっぽの先だけを小刻みに振っているときは、警戒している証拠。しっぽが斜め下を向いていても、こんなときは近寄らないように。
ごほうびやおいしいご飯をやったときに、やや下向きにしっぽを振ることがありますが、これは「こんなすばらしいものをくれてどうもありがとう」と感謝している証拠。「どういたしまして」と言いながら頭をなでてやると、もっと犬と仲良くなれるはずです。
ちなみに、イタリアで発表された研究結果によると、うれしい気持ちを表すときには、しっぽを右側へ大きく振るそうです。私たち人間の脳は右脳と左脳に分かれており、左脳が感情を司っているため顔の右半分に本心が出やすいといわれていますが、犬にも同じことがいえるのかもしれません。
しっぽの振り方だけではよくわからないという人は、犬の顔に注目してみましょう。私たち人間は笑うときに口角が上がりますが、じつは犬にも同じことが起きます。正面から犬の顔を見て口角が上がって笑っているように見えたら、それはうれしいとき。口もとがゆるむことによって舌が出るのが一般的です。
また、はっきりした声で「ワン!」と吠えるのもうれしい証拠。無駄吠えはご近所の迷惑になりますが、このときだけは叱らずに許してあげたいですね。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.03