服従なのか?恐怖心なのか?
犬の耳が後ろに倒れているときは、いろいろな意味で注意が必要です。なぜなら、プラスとマイナスという正反対の気持ちを表していることがあるからです。これを見誤ると、飼い犬の信頼を失うようになりますので注意してください。
耳が後ろに倒れていても、表情が穏やかで歯を見せず、鼻にシワも寄っていない場合は「あなたに服従しますから、仲良くしましょう」という友好的な態度と考えてください。
相手を尊敬している表情でもあるため、飼い主にこの態度を見せるようなら、しつけがうまくいっている証拠ともいえます。
このとき、しっぽを左右にゆったり振っていたり、口角が上がって少し口を開けていたら、少し控えめに「よかったら遊びませんか?」と誘っています。「君の気持ちは理解しているよ」ということを犬に示すためにも、時間が許すときにはその誘いにこたえてやりましょう。
耳が後ろに倒れていても、左右に突き出しているときには「なんか怪しいぞ」「怖いな」と考え、防衛的な気持ちになっています。犬に何かをさせようとしたとき――たとえば、車に乗せようとしたときにこの態度をとったら、車に乗ることを拒んでいると考えてください。
犬耳がこの状態で、さらに歯を見せたり鼻にシワが寄りはじめた場合は、恐怖のレベルがかなり高くなっています。このまま無理強いして車に乗せようとすると、攻撃に出る可能性が高いので、注意してください。耳の位置が定まらず、前や後ろ、さらに下などに動かしているときは、どうすればいいのか考えている最中。犬の考えがまとまるまで、見守ってやるといいでしょう。
出典:『一流が実践する人生を変える呼吸法』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.06