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白熱電球はどうして光を出せるの?蛍光灯やLEDとどう違う?【図解 化学の話】

Text:野村 義宏 澄田 夢久

白熱電球の欠点は寿命の短さとエネルギー効率の悪さ

「白熱電球」といえばトーマス・エジソン(1847~1931年)、誰もが知っていますね。「フィラメントに電気を流すと電子が高速に動く。そのために摩擦(電気抵抗)が起こって熱と白い光を出す」。これがエジソンの開発した電球の光る仕組みでしたが、ただ、このフィラメントの素材選びが難儀でした。1879年、エジソンは木綿糸に煤とタールを塗って炭化させた炭素フィラメントを使い、発光に成功します。ところが、木綿糸は45時間で燃え尽きた。そこで、長時間点灯のためにさまざまな素材を試し、最後に選んだのが京都の石清水八幡宮に生えていた真竹。真竹フィラメントは1200時間光り続けました。エジソンの白熱電球は大ヒット。ただし、1908年になると、新しいフィラメント素材として熱に強い金属タングステンが開発されます。タングステンフィラメントは、いまも白熱電球を光らせ続けるすぐれものです。

さて、いまでも家庭の電気として活躍している白熱電球(図1)ですが、欠点は寿命の短さとエネルギー効率の悪さ。だいたい1000~2000時間でフィラメントが切れてしまう。エネルギーの灯りへの換算も数%で、大部分が熱になって散逸するのです。次の灯りとなった蛍光灯(図2)は、1926年にドイツのエトムント・ゲルマーによる発明。ガス管の中の放電で生じる紫外線を蛍光体に当て、可視光線に変換して発光します。発熱が少ないのが最大の特徴で、寿命は6000~1万2000時間。蛍光灯の発売は1937年。1940年代には日本でも販売されましたが、一般家庭に普及したのは1970年代です。LED(図3)は1962年、アメリカのニック・ホロニックによって発光ダイオードが発明され、その後に進化した灯りです。なぜ発光するのかは、図3を参照してください。寿命は4万~5万時間といわれます。さて、生活空間がデザイン化されつつある時代、どの光源を使うか。もしかするとセンスが試されるのかもしれませんね。

白熱電球が光る仕組み

白熱電球が光る仕組み『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』

蛍光灯が光る仕組み

蛍光灯が光る仕組み『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』

LEDが光る仕組み

LEDチップは電子の不足した正孔の多い半導体(P型)と電子の多い半導体(N型)が結合した「PN接合」構造。P側のプラス電極をN側のマイナス電極に電流を流すと、ホールに電子が入って結合する。そのときに生じた余分なエネルギーが光に変換されて放射される。

LEDが光る仕組み『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』野村 義宏・澄田 夢久

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』
野村 義宏 監修・著/澄田 夢久 著

宇宙や地球に存在するあらゆる物質について知る学問が「化学」。人はその歴史の始めから、化学と出合うことで多くのことを学び、生活や技術を進歩・進化させてきました。ゆえに、身近な日常生活はもとより最新技術にかかわる不思議なことや疑問はすべて化学で解明できるのです。化学的な発見・発明の歴史から、生活日用品、衣食住、医学の進化までやさしく解明する1冊!

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