基本形は4種類で、渦か 状じょう紋もんが多い
人の血液型と同じように指紋もいくつかの種類に分類できます。日本人の指紋を大きく分類すると4種類になります。
一番多いのが、中心が渦を巻いている「渦状紋」、次が蹄(馬蹄形)の形をした「蹄状紋」、中央で弓なりになっている「弓状紋」、そしてこの3種類に属さないのが「変体紋」ですがこの指紋は非常に珍しい形です。しかし、この分類はあくまで基本形で、さらに細かく分類するとまだ多くの分類になります。
また、ひとつの指に前述の2つ以上の種類が混在していたり、指によっても指紋が違う人もいます。ちなみに人差し指に多い型としては弓状紋・甲種蹄状紋があり、中指と小指に多い型は乙種蹄状紋で、親指と薬指には渦状紋が多い型という傾向が見られます。
甲種蹄状紋とは、蹄状紋のうち、蹄状線が拇指側に流れる紋様で乙種蹄状紋とは、小指側に流れる紋様のことをいいます。
さらに、指紋は人種によって特徴的な傾向があります。アフリカ原住民、一部のアラブ民族、オーストラリアのアボリジニには弓状紋が多く、渦状紋は少ないのです。
ヨーロッパ人やアフリカのネグロイドでは蹄状紋が多く、弓状紋は少なく、アジアのモンゴロイドでは渦状紋が多く、弓状紋が少ないのです。日本人もこのグループに入ります。
さらに、日本人とアメリカ人で比較してみると、弓状紋は、日本人は全体の約10%に対してアメリカ人は約5%、蹄状紋では、日本人が約40%、アメリカ人は約60%、渦状紋は日本人が約50%、アメリカ人は約35%という割合になっています。指紋は実に神秘的です。
出典:『図解 科学捜査』監修/山崎昭
【書誌情報】
『図解 科学捜査』
監修:山崎昭
科学捜査は驚くほど進化している。血液や指紋・DNA鑑定、顔認証システム等の画像解析やインターネットを駆使した情報分析など、微細な証拠から犯行の立証、犯人逮捕に結びつけている。刑事ドラマや推理小説などで活躍する科学捜査の実体、その最先端の技術、方法など全貌を図解で徹底紹介!微細な証拠も大いに真実を語る、犯罪は絶対に見逃さない。
公開日:2021.09.07