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コロナ検査で話題のPCR検査はもともと犯罪調査に使われていた!?【科学捜査】

微量のDNAでもPCRで増幅して鑑定

DNA型鑑定は、犯罪現場から採取した証拠資料からの①DNAの抽出・精製、次に②DNAを増幅し、そして③繰り返し回数を分析するという大きく3つの工程で行われます。

最初に、試料の血液や精液などが含まれている部分を細かく切り、マイクロチューブに入れ、緩衝液を加え、混合します。

細胞核の中には23対46本の染色体があり、この染色体を形成しているのが、「DNA(デオキシリボ核酸)」です。染色体は伸ばせば2mにもなる梯子のような2重らせん構造で、折りたたまれた状態で格納されています。

次に、タンパク質分解酵素のプロテアーゼを加え、56℃で保温し、タンパク質を分解します。さらに余分なタンパク質をマグネットビーズ法やフェノール・クロロホルム抽出法で取り除き、DNAだけが含まれる溶液をつくります。これで、DNAの抽出と精製が終了です。この抽出・精製・分離作業には専門の検査環境と検査者の経験と熟練の技術が必要です。

犯罪現場で採取される、血液や体液からのDNA型鑑定は、試料が微量なものであるケースが多いです。

その場合でも鑑定に必要な十分なDNAを手に入れる、「PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)」という増幅法があります。

この方法は、DNAが変性・再結合するときの温度の違いを利用して増幅する方法で、専用の試薬を加えて加熱や冷却をすることで、DNAがコピーされます。

この過程を25〜40回繰り返すことで特定の塩基配列を大量に増幅するのです。このPCRを発明したキャリー・マリス博士(アメリカ)はその功績で1993年にノーベル化学賞を受賞しました。最後に、増幅されたDNAを、「ジェネティックアナライザー」という装置によって分析すると、「繰り返し回数」が表示され、鑑定します。

出典:『図解 科学捜査』監修/山崎昭

【書誌情報】
『図解 科学捜査』
監修:山崎昭

科学捜査は驚くほど進化している。血液や指紋・DNA鑑定、顔認証システム等の画像解析やインターネットを駆使した情報分析など、微細な証拠から犯行の立証、犯人逮捕に結びつけている。刑事ドラマや推理小説などで活躍する科学捜査の実体、その最先端の技術、方法など全貌を図解で徹底紹介!微細な証拠も大いに真実を語る、犯罪は絶対に見逃さない。