イライラをぶつけて自己愛を満たすのは危険
「人は自己愛が満たされていないときに不機嫌になる」。アメリカの精神分析学に多大な影響を与えた精神科医のコフートは、こんなことを言いました。自己愛とは、自分自身を愛することです。
幼少期に親から愛情を注がれなかった人や、家族や友人とうまくいっていない人、仕事が順調ではない人は自己愛が満たされない傾向にあるとされています。こうした人たちは、生活をしているなかでちょっとした問題にぶつかるだけでもイライラしてしまうことが多いのです。
例えば飲食店で、注文した料理と違う、と店員を怒鳴りつけてしまうといった行動を取る人は自己愛が満たされていない可能性があります。どれだけ理不尽な内容でも店員と客である以上、店員は客に頭を下げなければなりません。
この流れが、「自分のほうがこの人よりも立場が上」、「自分のほうが偉い」という自己愛につながってしまうのです。ちょっとしたことで不機嫌になり、周りにそれをぶつけることで自己愛を満たそうとするのは、相手に不快感を与えてしまい、非難の対象にもなりかねませんのでリスクが高い行為と言えるでしょう。
出典:『心療内科の名医が教える 怒り、不安がすぐ消える 魔法の感情整理術』
【書誌情報】
『心療内科の名医が教える 怒り、不安がすぐ消える 魔法の感情整理術』
監修:ゆうきゆう
日々の生活の中でなにかとすぐにイライラしたり、びくびくしたり、「怒り」や「不安」などの感情をうまくコントロールすることができないという悩みを抱えている人は少なくないかと思います。本書は、そのようなココロが忙しくて疲れを感じている人の支えになる感情整理術の書籍です。
家庭間や職場、学校などでつい熱くなって言い返す前に実践してほしい感情整理のテクニックや、もっと気楽に物事をとらえるコツ、一瞬でできる心の落ち着かせ方など、ゆうきゆう先生流のココロが楽になる術をまとめた一冊。
公開日:2022.10.07