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街の不動産屋がお客が来なくても潰れない「名ばかり管理」の実態とは?【経済の話】

Text:神樹兵輔

街の不動産がやっている「名ばかり管理」

日本の不動産需要は減少傾向です。総務省が5年毎に公表する「住宅・土地統計調査」では2013年の全国の総住宅6063万戸のうち、820万戸が空き家です(空室率13.5%)。調査の度に空室率が増え続けています。

なお、賃貸用住宅に限ると、13年時点で1844万戸中、429万戸が空き家です(空室率23%)。既に4物件に1物件が空き家なのです。人口減少で家を借りたい需要は今後も減少し、家賃も年々下がります。そうなると街角の不動産屋もバタバタ潰つぶれるかというと、実際はそうでもありません。

客の来ない不動産屋でも営業は続いています。不動産屋の主な収入は、不動産の売買仲介か賃貸斡旋です。売買なら片道で物件価格の3%プラス消費税、6万円プラス消費税が手数料です。

片道分が確実に入るよう、売主とは専属媒介契約を結びたがり、日本では禁じられていないので両手売買を狙い他の不動産屋から問い合わせが入っても、すでに商談中と称し、物件を勝手に囲い込んで塩漬けにする業者もいます。売主にとっては大迷惑です。

賃貸の場合は、物件を成約させて賃貸人からの基本1カ月分の家賃が手数料ですが、家主が頼みもしないのに鍵交換、火災保険加入などで初期費用を釣り上げます。そして家主からも広告料と称し1~2カ月分の家賃相当額を不当に得るのです。

そして、最もおいしく何もしないでも稼げるのが家主から月額賃料の5〜7%を徴収する「管理」業務です。管理とは名ばかりで見回りも清掃もしない場合も多いのですが、こうした物件を100件以上抱えれば、毎月の不労所得には困りません。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』
監修:神樹兵輔

日本の社会をとりまく環境は日々変化を続け、日本経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を見ることにもなる。行動経済学から、原価のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済の基本を、身近なテーマとともに図とイラストでわかるやすく解説、読み解く一冊。

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