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あんなに安い「立ち飲み屋」はどうやって儲けているの?【経済の話】

Text:神樹兵輔

知られていない儲けのカラクリ

近年、飲み屋街で一番元気がよい居酒屋といえば、「立ち飲み屋」です。立ち飲み屋がサラリーマンに人気なのは、もちろん価格の安さです。それに、「ちょっと一杯引っかけて」という時、立ち飲みゆえに短時間で切り上げられるメリットも魅力でしょう。

驚いたことに、調べてみると、「激安」と謳う立ち飲み居酒屋の中には、全品百円という衝撃価格の店まで存在するのでした。

ところで一般的な立ち飲み屋のメニューといえば、安くてもビールは中ジョッキ280円、グラスワイン200円、酎ハイ190円、日本酒250円ぐらいです。つまみは、焼き鳥一本100円、枝豆180円、厚揚げ180円、マグロの刺身250円、ポテサラ180円、唐揚げ250円、野菜天ぷら250円といった具合に、大体100円台から200円台までで、300円を切る価格帯です。

一般の居酒屋と比べると、かなり安いのです。立ち飲み店の平均客単価は1500円以内に収まり、滞在時間が男性1時間、女性1時間半というのも納得がいきます。

しかし、メニューはスーパーの惣菜より安い価格のものもあり、これでどうやって儲けが出せるのか不思議でしょう。

実は百円ショップと同じ粗利ミックス戦略です。粗利益率の異なる商品を並べ、全体の売上に対して平均での原価率を飲食店の定石とされる30%以内に収めているのです。

アルコール原価が最も高いのはビールで中ジョッキ一杯が200円前後ですが、グラスワインは80円、酎ハイ20〜40円、カクテル50円、焼酎30円程度とビール以外は原価が低いのです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』
監修:神樹兵輔

日本の社会をとりまく環境は日々変化を続け、日本経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を見ることにもなる。行動経済学から、原価のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済の基本を、身近なテーマとともに図とイラストでわかるやすく解説、読み解く一冊。