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日本が直面する大きな高齢者問題!介護が必要でも老人ホームに入れない現実【経済の話】

Text:神樹兵輔

日本が直面する大きな高齢者問題

「健康寿命」とは、WHO(世界保健機関)の定義では、平均寿命から疾病、衰弱、認知症などの要支援や要介護を必要とする「健康でない状態」の期間を差し引いたものです。

日本人の平均寿命は、男性81歳、女性87歳ですが、「健康寿命」は男性72歳、女性74歳です。死ぬまで健康でいられるわけではないのです。いずれ介護が必要になる時がくるでしょう。2000年から始まった介護保険制度ですが、現行の1割負担では維持も困難で、負担増も必至でしょう。現在、費用が安い介護保険施設の「特別養護老人ホーム」は、全国に約9700ありますが入居は数年待ちです。

となれば、民間の「サ高住(サービス付高齢者向け住宅)や「有料老人ホーム」しかないものの、費用は安くありません。

14年末、介護職員が高齢者3人を殺害するという事件があり、注目を浴びた神奈川県の施設は、実は民間のリーズナブルな施設として人気でした。

入居一時金なしで家賃15万1500円、管理費3万4560円、食費3万5640円の合計22万1700円だったからです。一時金ナシだと、都市部では通常30万円台からです。

しかし、無職の65歳以上高齢者夫婦の平均年金受給額は19万円なので、一方が要介護になっても、こうしたリーズナブルな介護施設でさえ、入れない現実があります。

そうなると、貧困ビジネスの「無届介護施設」に入るしかありません。これなら1人10万円以内も可能ですが、防火設備もなく大部屋に布団を敷いて雑魚寝といった不潔で劣悪な環境です。介護の世話にならず、ピンピンコロリと死ぬためには、よく運動し、体によい食品を食べ、健康維持が大事なのです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』
監修:神樹兵輔

日本の社会をとりまく環境は日々変化を続け、日本経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を見ることにもなる。行動経済学から、原価のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済の基本を、身近なテーマとともに図とイラストでわかるやすく解説、読み解く一冊。

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