筋肉を活動させるためにはストレッチが効果的
この章から、実践的な呼吸法に入っていきます。基本的に、あぐらをかいたり仰向けに寝ながらでも、意識しながら正しい呼吸をすればそれだけで効果はあります。ただ、酸素供給量を増やしたり、筋肉を活動しやすくするためには、ストレッチしながらがベストです。
ストレッチをしながら呼吸をすると、メリットがたくさんあります。まずは、リラックス状態を作り出せることです。1章でも説明しましたが、呼吸法で心を落ち着け自律神経をリラックスさせることを本書ではおすすめしています。緊張状態のある交感神経ではなく、副交感神経を優位にして行ってほしいのです。
リラックスした状態で、筋肉の緊張を取りながら呼吸をすれば、よりたくさん酸素が体内に取り入れられるというメリットがあります。もう1つ、メリットとしては、普段の日常生活で使わない筋肉や部位を刺激することができることです。
立つ、座る、歩く、走るなどの日常動作では、体のあらゆる筋肉は未使用な状態です。お腹の横の部分だったり、背中などの筋肉、股関節まわりも、小さな筋肉はぜんぜん使われません。それらをストレッチで伸ばし、呼吸を加えて筋肉の活動量を一気に高めていけば、全身の血流が良くなり、あらゆる効果を生むことにつながります。
最大限にストレッチした状態では行わない
ストレッチ呼吸を行うときは、少しだけ注意点があります。ストレッチは筋肉や関節の可動域を広げて行うものですが、いきなり最大限にストレッチした(伸ばした)状態では、じつは酸素を吸うことは難しくなります。その姿勢を保ち続けるのがキツくなるからですが、最大限に伸ばす1つ前くらいのところで止めて運動することが大事になります。
他にもストレッチには動的ストレッチと言われる、動かしながら行うストレッチもありますが、動的ストレッチを実践するときは呼吸で胸郭を広げ、お腹を膨らませる動作と首の動きを連動させるようにしてください。例えば、120ページのストレッチ呼吸では、上を向くときと息を吸う(胸郭を広げ、お腹を膨らませる)のはセットとします。逆に下を向くのと息を吐く(お腹を縮める)のはセットです。これらを守ってもらうことで、気持ち良くストレッチしながら呼吸をすることができるのです。次ページから、早速実践してみましょう。
出典:『一流が実践する人生を変える呼吸法』著/宮﨑裕樹
【書誌情報】
『一流が実践する人生を変える呼吸法』
著者:宮﨑裕樹
人間が健やかに生きていくうえで大切な呼吸を整えることで、腹横筋、肩甲骨などの体幹部や臓器を活性化し、ストレッチやトレーニングの効果を飛躍的に高めるメソッドを紹介する一冊。一流のスポーツ選手や数多くの芸能人が、実際に取り組んでおり、健康を高めつつ、ストレスを軽減した生き方のヒントがここにあります。
公開日:2021.12.25