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三葉虫【古生物の話】

Text:大橋智之

小判型からトゲトゲまでいる「化石の王様」

三葉虫(さんようちゅう)は、アンモナイト、恐竜と並んでよく知られている古生物です。古生代カンブリア紀の海に登場すると、あっという間に種類を増やし、生息域も拡大しました。古生代末に絶滅しましたが、世界中で1万数千種類の三葉虫が見つかっており、古生代の時代区分を知る重要な示準化石です。

日本でも、シルル紀からペルム紀(約2億9900万年前から約2億5200万年前)までのものが120種以上も発見されています。

三葉虫は節足動物の仲間です。真上から見ると3枚の葉が並んでいるように見えます。目が非常に発達しており、はっきりと物の形が認識できるほど視力がよかったと考えられています。

オレノイデスはカンブリア紀に登場した初期の三葉虫です。この時期の三葉虫類は非常に薄く、平らでした。オレノイデスの体長は数センチほどで、頭部と胴部、尾部の節々の両脇に後ろを向いたトゲが生えています。

コワレウスキイは、オルドビス(紀約4億8500万年前から約4億4300万年前)に登場した三葉虫です。三葉虫は、オルドビス紀には、平らだった殻が厚くなる種が生まれ、立体的になっていきます。この種はさらにカタツムリのような姿に進化しました。

頭から伸びる長さ数センチの眼軸の先には複眼がついています。体を海底に隠し、眼だけを出して外の様子をうかがっていたと考えられています。

トゲで身を守る三葉虫もいました。ボエダスピスはアサフス・コワレウスキイと同じ地層から見つかる種ですが、頭から後ろへ2本、側面からも左右に1本ずつ、全部で大小30本以上のトゲにおおわれたトゲトゲ系三葉虫でした。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』
著者:大橋智之  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
大橋智之(おおはし・ともゆき) 北九州市立自然史・歴史博物館 学芸員。古脊椎動物担当。1976年、福島県生まれ。東北大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。日本古生物学会会員。


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