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天武天皇が伊勢神宮を東国経営の拠点とし『古事記』『日本書紀』を纏めた理由とは?【日本史】

Text:鈴木 旭

天武天皇は巨星天智天皇が病に倒れた時、自ら野に下り、挙兵して勝利した実力者であり、思う存分に辣腕(らつわん)を振るいました。

 

その際、国威発揚のため、新しい国づくりに着手する一方、大唐国には恭順の姿勢を示す必要上、似たような体制にする必要がありました。もちろん、形は似せても中身は違う、独自の国造りを目指したのです。

 

第一は公地公民制を実施。天皇・皇后と皇子以外の皇族と豪族、寺社が統制下に置かれました。第二は伊勢神宮を天皇家の祖先神を祀る社とし、同時に東国経営の拠点にしました。第三は日本独自の国史編纂に取り組み、『古事記』『日本書紀』を纏(まと)めました。

 

こうして「飛鳥浄御原令」を制定。日本に適合する律令国家の整備事業が始まったのですが、天皇を中心とする日本国の国体と制度、体制と内容のほとんどが、この時に手掛けられたと言っても過言ではありません。

出典:『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』著:鈴木旭

 

【書誌情報】
『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』
著:鈴木 旭

予想をはるかに越え、驚くべきほど進歩的な生活だった縄文文化から、戦後を経た現代まで、日本史の流れと疑問点がスッキリわかる!--知りたい通史の流れと時代ごとのポイントが完全図解でわかりやすく、時代の変遷、事件、人物、背景がどんどん頭に入ってくる。最新の発見や新しい史論を取り入れた、歴史の学び直しにも、入門にも最適な1冊。

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