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19、悲願の大仏建立【日本史】

Text:鈴木 旭

聖武(しょうむ)天皇代、天平十五年(七四三)のこと。天皇悲願の詔(みことのり)を発します。前代未聞の大プロジェクトである大仏造立を国家事業として取り組むことを呼び掛ける宣言です。

 

しかし、誰も聞き入れませんでした。聖武天皇は平城京を出て各地を転々と巡り、その度に離宮造営を命じたり、都を移転すると言い、「用度の費やすところ挙げて計うべからず」(続日本紀)という有様だったからです。

 

誰が見ても異常な行動ですが、理由がありました。荘園制が広がり律令制度が空洞化すると、天皇は名ばかりで、荘園を集めて大領主になりつつある藤原一族に抑え込まれてしまったからです。

 

聖武天皇は逃げ回り、悩み、苦しみました。そして、最後に辿り着いたのが大仏建立でした。自分を救い、国を立て直す方策は大仏造立以外にない、と。悲願だったのです。

 

出典:『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』著:鈴木旭

【書誌情報】
『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』
著:鈴木 旭

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