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藤原一族が天皇の外戚となり、摂関政治を始めるまで勢力を拡大した理由とは?【日本史】

Text:鈴木 旭

律令制度は唐の律令と同じではありません。難しすぎて現実には適用されず、現場の判断と裁量に任されました。

 

すると受領(ずりょう)として地方に下った下級貴族や土着の土豪、有力農民らが私的な利益追求を図るようになります。なかには武装して強大な勢力を築くと律令政府の命令に従わず、反乱に決起したり、地方権力として振舞うようになった者もいました。

 

そして、私領化した土地を中央の有力貴族や社寺に寄進し、それを隠れ蓑にして急速に力を蓄えていきます。何故なら、寄進された私領は荘園という名の租税免除地(不輸不入地)となるからです。

 

律令制度は空洞化しますが、荘園を集積して最大勢力にのし上がったのが藤原一族でした。藤原一族は代々、朝廷の要職を務め、最高位に就くや、天皇の外戚となり、摂関政治を始めます。

出典:『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』著:鈴木旭

 

【書誌情報】
『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』
著:鈴木 旭

予想をはるかに越え、驚くべきほど進歩的な生活だった縄文文化から、戦後を経た現代まで、日本史の流れと疑問点がスッキリわかる!--知りたい通史の流れと時代ごとのポイントが完全図解でわかりやすく、時代の変遷、事件、人物、背景がどんどん頭に入ってくる。最新の発見や新しい史論を取り入れた、歴史の学び直しにも、入門にも最適な1冊。

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