鳥の目、虫の目、魚の目を意識しよう
結果を出すために必要なのは、チームメンバーの意欲だけではなく、リーダー自身にも、的確な状況判断力が求められます。
では、どうすれば激変するビジネス環境の中にあって、的確な判断ができるようになるでしょうか。
私は、リーダーは「鳥の目、虫の目、魚(さかな)の目」の3つの目を養え、と主張し続けています。
鳥の目とは、上空から全体を大きく俯瞰(ふかん)する目のことです。
大局観と言い換えてもよいでしょう。
虫の目とは、細部を見る目です。
細かいところに目を配り、小さな変化を見逃さないのが虫の目ということになります。
一般的には、リーダーには、この2つの視点が必要と言われています。
ですが、私はもう1つ、魚の目ということを付け加えています。
魚には、顔に2つの目があるばかりではなく、体の側面にも水質や川の流れの変化を察知する側線という器官があります。
会社の置かれた環境、市場のトレンドや顧客の嗜好、社会の動向を察知するのが魚の目です。
この3つの目で捉(とら)えた多角的な情報を分析し、判断するために必要なのが、経験と勘と歴史に学ぶことです。
経験とは、物事を自分の経験に照らし合わせて判断することです。
勘とは、現場で鍛えた知見に基づく直観です。
歴史に学ぶとは、過去の参考事例を探すことです。どんなことでも、過去に似た事例はあるものです。
【出典】『面白いほど役に立つ 図解 人を動かすリーダー力』
著者:新 将命 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
新 将命(あたらし まさみ) 株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。1936年東京生まれ。早稲田大学卒業。シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で社長職を3社、副社長職を1社経験。現在、ライザップグループ株式会社など数社のアドバイザーを務める。「伝説の外資トップ」と称され、“実論”にもとづいた独自の経営論・リーダーシップ論には定評がある。
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公開日:2022.07.06