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部下が年上だったら、どう接する?【人を動かすリーダー力】

Text:新 将命

年長の部下には「長幼の序」を忘れずに

かつての上司が、定年後の再雇用で自分の下に配属される。そういうことが、当たり前となりつつある時代です。こういう場合に、年上の部下にどう接するべきでしょうか。

自分が部下だったときには、上司から「○○クン」と呼ばれた人が、立場が逆転してかつての上司から「○○サン」と呼ばれることもあります。

これを「サンクン交替」と言うようです。

ただし、現在の自分の立場を背景に、かつての上司に対し横柄に振る舞うようでは問題です。

長幼(ちょうよう)の序(じょ)を守らないリーダーが、人から尊敬されることはありません。

権力や地位を背景に、年上の人に横柄、不遜な態度をとれば、傲慢な人、品性のない人と周囲から蔑(さげす)まれてしまいます。

年上の部下に対しては、原則は1つです。

それはポライト・バット・ファーム Polite ButFirm です。ポライトは「礼儀正しく」、ファームは「毅然(きぜん)として」という意味です。

自分より多くの経験を積み重ねてきた人に対しては、敬意を払い、礼を失することなく接するというのが、人間としての基本中の基本です。

その一方で、仕事においては不要な遠慮などせず、毅然とした姿勢を保つことも大事です。

特別扱いや、よけいな配慮は、かえって年長者のプライドを傷つけ、モチベーションを下げてしまいかねません。

他のメンバーの心の中に、不公平感を生む恐れもあります。心すべきは、ポライト・バット・ファーム、「態度丁寧(ていねい)、指示毅然」なのです。

【出典】『面白いほど役に立つ 図解 人を動かすリーダー力』
著者:新 将命  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
新 将命(あたらし まさみ) 株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。1936年東京生まれ。早稲田大学卒業。シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で社長職を3社、副社長職を1社経験。現在、ライザップグループ株式会社など数社のアドバイザーを務める。「伝説の外資トップ」と称され、“実論”にもとづいた独自の経営論・リーダーシップ論には定評がある。


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