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利益を上げることは悪いことではないが、十分に注意しなければならない事とは?【論語】

Text:山口謠司

子(し)曰(いわ)く、利(り)に放(よ)りて行(おこ)なえば、怨(うら)み多(おお)し。

<訳>先生がいわれた。利益ばかりを考えて行動していると、人から怨みを受けることが多いものだ。

利益を得ることについて、孔子は否定するものではありません。利益を上げることは悪いことではないけれど、自分のことだけを考えて、私利私欲を貪(むさぼ)るようなお金儲けはよろしくないというのです。

原油が高騰すると、様々なところに影響が出ます。

原油価格の変動は、新興経済大国の中国やインドによる、原油需要の急増が大きな原因といわれていますが、それだけではありません。今後不足が予測される原油の需要に目を付け、投機目的でマネーゲームが繰り広げられているのも一因となっています。

原油投機で儲けを得ることは、人から怨みを受けることになります。なぜなら、多くの人の生活に、大きな影響を及ぼすような儲け方は、あまりよいわけはないからです。

ことわざに、金はあぶない所にあるというのがあります。普通にしていては大金を手にすることはむずかしい、あぶないことをしなければ大儲けはできないという意味です。

孔子は、現代を予測したわけではないでしょうが、お金儲けをすることの本質について、見抜いていたのでしょう。

お金儲けをすることは悪くはないけれど、十分に注意をしてしなさいと、いましめているようです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 論語』
監修:山口謠司  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1963年長崎県生まれ。博士(中国学)。大東文化大学文学部大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現大東文化大 学文学部中国学科准教授。 主な著書に『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)、『日本語を作った男 上田万年とその時代』(第29回和辻哲郎文化賞を受賞。集英社インターナショナル)、『日本語の奇跡〈アイウエオ〉と〈いろは〉の発明』『ん─日本語最後の謎に挑む─』『名前の暗号』(新潮社)、『てんてん 日本語究極の謎に迫る』(角川書店)、『日本語にとってカタカナとは何か』(河出書房新社)、『大人の漢字教室』『にほんご歳時記』(PHP 研究所)、『漢字はすごい』(講談社)、『語彙力のヘソ』(徳間書店刊)、『おとなのための 1 分読書』(自由国民社)など著書多数。


2500年の時を超え、「聖書」と並び読み継がれてきた孔子の言葉を著した『論語』。「人生最高の教え」と賞される、この全20章500余の短文から現代により通じる「珠玉の言葉」を厳選して紹介、図解でわかりやすくまとめた1冊!

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