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「徳があって孤立することはない」孤立することなく共感する人たちが集まってくる「徳のある人」とは?【論語】

Text:山口謠司

子(し)曰(いわ)く、徳(とく)は孤(こ)ならず、必(かなら)ず鄰(となり)あり。

<訳>先生がいわれた。徳があって孤立することはない。必ず人はついてくるものである。

 

徳は『論語』では何回も使われています。徳の意味も、すべて同じではないのですが、彳(ぎょうにんべん)を取ったの文字の意味がまっすぐな心を表し、彳は行くことを示しています。つまり、まっすぐな心をもって、人生を生きていくという意味が徳なのです。徳のある人といえば、品性が身についた、善や正義に従う人格者のことです。

 

徳をもって、一生懸命、真面目に仕事に向かっている姿は、周囲の人を惹(ひ)きつけ、共感する人たちが集まってくるというのです。

反対に徳がない人であれば、共感する人が現れるどころか、嫌がられて誰も寄りつかなくなってしまいます。

企業は人なりとはよくいわれることです。会社が発展していくためには、立派な建物や設備などではなく、そこで働く人こそが大切な役割りを果たすという意味です。

社長を含めて、指導的立場の者が徳のある人物ならば、よい社員が集まり力を合わせて会社を大きくしていくことになるのです。仮に困難に遭遇することがあったとしても、一丸となって乗り越えることが可能です。一方で、高いお給料の会社というのも、人が群がってはきます。しかし、お金が無くなってしまえばすべておしまいです。金の切れ目が縁の切れ目とは、世事一般に通じる、人とお金の結びつきをいったことわざです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 論語』
監修:山口謠司  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1963年長崎県生まれ。博士(中国学)。大東文化大学文学部大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現大東文化大 学文学部中国学科准教授。 主な著書に『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)、『日本語を作った男 上田万年とその時代』(第29回和辻哲郎文化賞を受賞。集英社インターナショナル)、『日本語の奇跡〈アイウエオ〉と〈いろは〉の発明』『ん─日本語最後の謎に挑む─』『名前の暗号』(新潮社)、『てんてん 日本語究極の謎に迫る』(角川書店)、『日本語にとってカタカナとは何か』(河出書房新社)、『大人の漢字教室』『にほんご歳時記』(PHP 研究所)、『漢字はすごい』(講談社)、『語彙力のヘソ』(徳間書店刊)、『おとなのための 1 分読書』(自由国民社)など著書多数。


2500年の時を超え、「聖書」と並び読み継がれてきた孔子の言葉を著した『論語』。「人生最高の教え」と賞される、この全20章500余の短文から現代により通じる「珠玉の言葉」を厳選して紹介、図解でわかりやすくまとめた1冊!

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