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董卓の暴政、とどまるところを知らず【図解 三国志】

Text:澄田 夢久

暴君・董卓の本領発揮

董卓の専横に、袁紹はとっくに逃亡していた。ある日、袁紹は、董卓に「不徳を犯しておらぬ皇帝を廃し、庶出の陳留王を立てるなど、謀反以外のなにものでもない」と怒気鋭く迫った。董卓は剣を抜き、袁紹も剣を抜く。一触即発の間合いだったが、董卓の謀臣李り 儒じゅが止めに入ったため、大事には至らなかった。袁紹は、この事件をきっかけに冀き州しゅうへ逃げていたのである。

勝手放題の董卓は、少帝を皇帝から引きずり下ろし、陳留王を献帝として即位させた。中平六年(189)九月のこと。少帝は弘農王として臣下に落とされたが、それだけでは済まず、実母の何太后ともども李儒の手によって弑逆されたのだ。

献帝は名ばかりの皇帝、すべての権力は董卓の手の中にあった。董卓は肥大漢だったが、その巨体のごとくの暴政はかくやあらん。内通したとみられる官僚を鞭むちで撃ち殺し、縁談を断った未亡人を棒で叩き殺す。投降した兵の舌をえぐり抜き、手足を切断する。まさに非道そのものであった

曹操は丞相府を訪れ、一刺しのもとに董卓を殺さんとしたが果たせず、咎められて言い訳に七宝刀を献呈する始末。曹操は董卓に疑われたことを悟って、故郷の豫州沛国譙しょう県に逃げ帰るというていたらくだった。

だが、譙県に帰郷した曹操は、手を拱こまねいていたわけではない。近隣の資産家に資金を投じてもらい、皇帝の名を騙かたって矯詔をつくり、義兵を糾合すべく各地へ使者を走らせた。

その効果は絶大で、参じてきた者、数知れぬほど。また、曹氏の宗族、夏侯氏の夏侯惇(字は元げん譲じょう)、夏侯淵(字は妙才)、曹氏一族の曹仁(字は子孝)、曹洪(字は子廉)が参陣し、以後、曹操の強力な武力となっていく。

袁紹も、矯詔を受け取ると三万の軍勢を率いて冀州勃海郡を出立、曹操と会見して同盟を結ぶ。また、曹操は檄文を諸侯に送ると、南陽太守の袁術、冀州刺史の韓かん馥ふく、豫州刺史の孔伷、兗州刺史の劉岱、河内太守の王匡、陳留太守の張邈、東郡太守の橋瑁、山陽太守の袁遺、済北国相の鮑信、北海太守の孔融、広陵太守の張超、徐州刺史の陶謙、西涼太守の馬騰、北平太守の公孫瓚、上党太守の張楊、長沙太守の孫堅が挙兵したのであった。

諸侯は洛陽へと行軍したが、その途中、公孫瓚は、共に盧植に師事した劉備と再会、同道を許し、曹操が迎え入れるという椿事もあったのだった。

『図解 三国志』はこんな人におすすめ!

・中国の古い歴史に興味がある!
・昔の人は何のために争っていたのか?
・三国時代や格言について学びなおしたい

と感じている方には大変おすすめな本です。

魏・蜀・呉、三国の興亡を描いた『三国志』には、「桃園の誓い」「三顧の礼」「出師の表」「泣いて馬謖を斬る」など心打つ名場面、また「水魚の交わり」「苦肉の策」「背水の陣」「髀肉の嘆」など名言や現代にも通じる格言も数多く登場する。また、曹操、劉備、孫権、孔明、関羽、張飛、趙雲、周瑜、司馬懿など個性豊かで魅力的な登場人物に加え、官渡の戦い、赤壁の戦い、五丈原の戦い等、歴史上重要な合戦も多い。英雄たちの激闘の系譜、名場面・名言が図解でコンパクトにすっきりわかる『三国志』の決定版!

シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、右側に文章、左側に図解で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。

図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!

気になる中身を少しだけご紹介!中国では、「革命」によって新たな王朝に禅譲されるのが約束事

『三国志』は「紀伝体」で書かれました。帝の記録「本紀(略して紀)、それ以外の人物の記録「列伝(略して伝)」で構成される歴史書です。陳寿は『三国志』を書くに際してあれこれ惨憺したらしい。魏の曹操(155~220)没後、息子の曹丕(187~226)が皇帝を名乗り、であればと蜀の劉備(161~223)、次いで呉の孫権(182~252)も皇帝を名乗った。

でも、三国に帝(皇帝)がいるというのは古来の中国ではあってはならないこと。天が命じた天子に地上を治めさせるので、天子は一人でなければならなかった。しかし、その天子が徳を失えば、徳のある天子に禅譲することになります。だから陳寿は、後漢の献帝(181~234)から禅譲(実際は簒奪)されたとする魏を正統とすることによって、魏から禅譲(これも簒奪)されたとする西晋を正統とせざるを得ない。

ほんとうは後漢の正統を継いでいるのは、漢王室の末裔とされる劉備が興した蜀と思っていても、陳寿はそうは書けない。故国蜀の滅亡で晋に職を求め、史官として三国の歴史を書くために仕えている身としては、晋朝廷から覚えめでたくあらねばならない、きっとそう悩んだ。

結局、陳寿は「魏書」に「本紀」を置かざるを得ず、「武帝紀(曹操)」「文帝紀(曹丕)」から最後の皇帝「元帝紀(曹奐)」まで著しました。じゃあ、劉備や孫権をどう扱ったか?「蜀書」に「先主伝」を立て、劉備を“先主”と呼ぶ一方、「呉書」の「呉主伝」では孫権は一貫して“権”。「列伝」では当該人物名を生前名の諱で呼ぶのが原則なのに、劉備に関してはその慣例を無視。まさに陳寿は蜀びいきなんですね。

★三国志演義の物語
★赤壁の戦いの真実とは?
★三国志の始まりとは
★知っておきたい軍事制度とは

などなど気になるタイトルが目白押し!

『三国志』には、心打つ名言や現代にも通じる格言が多くあります。曹操、劉備、孫権、孔明、関羽、張飛、趙雲、など魅力的な登場人物に加え、官渡の戦い、赤壁の戦い、五丈原の戦い等、名場面を図解でわかりやすく解説しているので「三国志」の学び直しに是非読んでいただければ幸いです。

【書誌情報】
『図解 眠れなくなるほど面白い 三国志』
渡邉義浩 監/澄田夢久 著

魏・蜀・呉、三国の興亡を描いた『三国志』には、「桃園の誓い」「三顧の礼」「出師の表」「泣いて馬謖を斬る」など心打つ名場面や「水魚の交わり」「苦肉の策」「背水の陣」など名言や現代にも通じる格言も数多く登場する。曹操、劉備、孫権、孔明、関羽、張飛、趙雲、周瑜、司馬懿など個性豊かで魅力的な登場人物に加え、官渡の戦い、赤壁の戦い、五丈原の戦い等、歴史上重要な合戦も多い。英雄たちの激闘の系譜、名場面・名言が図解でコンパクトにすっきりわかる『三国志』の決定版!

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