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レンコンの穴はなんのためにあるの?成長する為に必要な穴のしくみとは?【生物の話】

Text:廣澤瑞子

~植物の器官の分化~

レンコンはおせちにも縁起物として使われる食材です。穴が開いていることから「先を見通せる」とされているのです。ところで、なぜレンコンに穴が開いているのかご存知ですか。

レンコンを漢字で表記すると蓮根。しかし、正確にはレンコンは根ではなく、根茎という茎に栄養が蓄えられて太くなったものです。

蓮はどろんこの中でないとあまりよく育ちません。ところが、成長のために必要な酸素は泥中では十分に賄えません。そこで、不足している分の酸素を地上から調達するために、蓮は根茎穴をあけて空気の通り道、通気孔を確保したというわけです。レンコンの穴は、根茎(いわゆるレンコン)と根茎の節を通りこして、次の根茎へとパイプのように繋がっているのです。

一般的に植物の茎はパイプ状になっています。こうしたパイプ状の組織を持つ植物のことを維管束植物と呼び、シダ植物と種子植物全般が含まれます。

維管束とは、茎の中を通るパイプ状の組織で、水分の通り道「道管」と、養分の通り道「師管」が通路として根から茎を通って葉までつながっています。こうした構造を獲得することは、進化の過程で植物の大型化に大きく寄与したと考えられています。どんなに大きくなっても、必要な水分・栄養分を隅々まで行き渡らせることができるからです。

レンコンは、環境に適応するために、維管束とは別に独特の通気孔を発達させたのでしょう。

維管束植物のしくみ『眠れなくなるほど面白い 図解 生物の話』

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 生物の話』
監修:廣澤瑞子  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
横浜生まれ。東京大学農学部農芸化学科卒業。1996年、東京大学大学院農学生命科学研究科応用動物科学専攻博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、米イリノイ大学シカゴ校およびドイツマックスプランク生物物理化学研究所の博士研究員を経て、現在は東京大学大学院農学生命科学研究科応用動物科学専攻細胞生化学研究室に助教として在籍。著書に『理科のおさらい 生物』(自由国民社)がある。


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