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民を救い出したモーセ【聖書】

Text:渋谷伸博

葦の海の奇跡と荒野に降ったマナ

ヨセフの導きでエジプトに移り住み、飢饉(ききん)を生き延びたイスラエルの民でしたが、ファラオは勢力を強めていく彼らを疎(うと)むようになりました。

 

ファラオはイスラエル人を強制労働で苦しめるとともに、これ以上増えないよう男児の殺害を命じました。しかし、息子を殺すに忍びなかったある女が子を籠(かご)に入れてナイル川の畔(ほとり)に置いたところ、ファラオの娘の目にとまり、子どもは王宮で育てられることになりました。それがモーセです。

成長したモーセはイスラエル人を迫害したエジプト人を殺してしまい、紅海の東側の地域まで逃げ、この地で妻を得ました。

しかし、エジプトで苦しむイスラエル人の声を聞き届けた神は、その導き手とするべくモーセに「民をエジプトから導き出せ」と命じたのです。

そこでモーセは兄のアロンとともにファラオと交渉しますが、ファラオは出国を許しません。これに対し神は疫病(えきびょう)や初子の死といった10の災(わざわ)いでエジプト人を苦しめました。

かたくなだったファラオもついには折れ、イスラエル人の退出を許しましたが、ほどなくファラオは心変わりし、戦車で追いかけてきました。

神は昼は雲の柱、夜は火の柱をもって人々(壮年男子だけでおよそ60万人)を導きましたが、葦(あし)の海のところで追い詰められてしまいます。

この時、モーセは神の力により海を2つに分け、人々を無事に渡らせたのでした。後を追ったエジプト軍は波に飲まれてしまいました。

一行の苦難はさらに続きました。彼らは水や食料の不足に悩まされ不平を言ったのですが、神は苦い水を甘く変えたり、*マナという不思議な食べ物を降らして、彼らを生き延びさせたのです。

用語解説 *マナ 神が天から降らせた食べ物。出エジプト記の記述によると、白いパンのようなもので甘かったという。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 聖書』
著者:渋谷伸博  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。宗教史研究家。よみうりカルチャーなどで神話をテーマとした講座も開講している。著書多数。近著に『一生に一度は参拝したい全国の神社めぐり』『聖地鉄道めぐり』『神々だけに許された地 秘境神社めぐり』『歴史さんぽ東京の神社・お寺めぐり』(いずれもジー・ビー)、『あなたの知らない般若心経』(宮坂宥洪監修、洋泉社新書)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)などがある。


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