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17.ダレイオス大王、史上最大の大帝国を統治する【世界史】

Text:鈴木 旭

東はインダスから西はギリシア、北はカスピ海から南はエチオピアまで。

滅亡したアッシリア帝国はエジプト、リディア、新バビロニア、メディアの四王国に分かれた。この地図を前6世紀になり、書き替えたのがアケメネス朝ペルシアである。

イラン高原に定着し、メディア王国に服属していたアケメネス家のキュロス二世は前550年、メディアを滅ぼすと次のカンビセス二世はエジプトを征服してオリエント世界を再統一した。そして三代目のダレイオス一世が大帝国を築く。

東はインダス川から西は地中海、ギリシア北部、北は黒海、カスピ海から南はエジプト、エチオピアに至る空前の大帝国だった。王都ペルセポリスもまた空前の規模を誇り、宮殿だけでも、高さが12~14メートルで、東西約300メートル、南北428メートルもあった。

大きいだけではない。新バビロニアに捕囚(ほしゅう)されていたユダヤ人を帰還させたり、アラム語を官用語にしたり、異民族には寛容な帝国だった。諸民族の文化や言語、社会を包括した上で、新しい帝国の支配秩序を築こうとしたのである。

ダレイオス一世はまた、統治手腕にも長けていた。直轄地のエジプトとバビロニア以外の地域は二十管区に分割し、サトラップ(総督)を置く一方、「王の目」「王の耳」と呼ばれる監察官を派遣して監視することを怠らなかった。かくの如く、帝王とは用心深いものである。

帝都ペルセポリスは、前330年、ペルシアに侵入したアレクサンダー大王によって破壊され、廃墟となってしまったが、1,971年、イラン建国2,500年祭が、この地で挙行されたようにイラン人にとって、特別な意味を持つ遺跡なのであった。ペルシアの聖地なのかもしれない。

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
昭和22年6月、山形県天童市に生を受ける。法政大学第一文学部中退。地理学、史学専攻。高校が電子工業高校だったためか、理工系的発想で史学を論じる。手始めに佐治芳彦氏と共に「超古代文化論」で縄文文化論を再構成し、独自のピラミッド研究から環太平洋学会に所属して黒又山(秋田県)の総合調査を実施する。以後、環太平洋諸国諸地域を踏査。G・ハンコック氏と共に与那国島(沖縄県)の海底遺跡調査。新発見で話題となる。本業の歴史ノンフイクション作家として、「歴史群像」(学研)創刊に携わって以来、「歴史読本」(新人物往来社)、「歴史街道」(PHP)、「歴史法廷」(世界文化社)、「歴史eye」(日本文芸社)で精力的に執筆、活躍し、『うつけ信長』で「第1回歴史群像大賞」を受賞。「面白いほどよくわかる」シリーズ『日本史』『世界史』『戦国史』『古代日本史』はロングセラーとなる(すべて日本文芸社)。他に『明治維新とは何だったのか?』(日本時事評論社)、『本間光丘』(ダイヤモンド社)など著書多数。歴史コメンテーターとして各種テレビ番組にも出演。幅広い知識と広い視野に立った史論が度々話題となる。NPO法人八潮ハーモニー理事長として地域文化活動でも活躍中。行動する歴史作家である。

いま地球規模の「人類史」という観点からも注目され、一方で一般教養、知識としても人気が高い「世界史」。世界規模の歴史を学ぶ上で大切なのは、歴史を流れとして捉えること、歴史にも原因と結果があり「なぜ」そこに至ることになったのか大もとの理由を理解すること、そして見ただけで忘れないようにビジュアルで視覚的覚えること。本書ではさらにアジアや日本の歴史とその役割にも重点を置き、最新の発見や新しい史論を取り入れた、世界史の学び直しにも、入門にも最適な知的好奇心を満足させる1冊。

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