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18.新興ギリシアが専制帝国ペルシアを破る【世界史】

Text:鈴木 旭

東方の専制帝国から市民の自由と独立を守ったギリシアのポリス連合。

ミケーネ文明の崩壊後、四世紀もの間、沈没していたギリシアが各地に勃興するポリス(都市国家)と共に勢いを盛り返す。

ポリスは土成壁で囲まれた中心市と農村部に分かれており、中心市には神殿を祀(まつ)るアクロポリスと政治談議や経済取引の場であるアゴラ(広場)があった。そうしたポリスの中でも勢い盛んだったのはアテネであった。

一方、小アジアやエーゲ海東岸のギリシア人によるイオニア植民市やマケドニアなどエーゲ海北岸一帯まで支配下に収めていたアケメネス朝ペルシアにとって、ポリスは「獅子身中の虫」に他ならず、衝突は避けられなかった。

前500年、小アジアのイオニア植民市の反乱をきっかけにしてペルシア戦争が勃発。ダレイオス一世の命令で出陣したペルシア艦隊は、前492年、嵐に出逢って壊滅。前490年、二回目はギリシア本土上陸後、マラトンの戦いでアテネ軍に敗北を喫する。あり得ない敗北だった。

前480年、次の王クセルクセス一世の三度目の遠征で、スパルタ軍と対戦。テルモピレーの戦いで完勝するが、テミストクレス率いるアテネ軍とのサラミスの海戦で大敗北。翌年のプラタイアの戦いでも敗北する。

強大な海軍力で対ペルシア戦争を勝利に導いたアテネの提唱で、対ペルシア防衛のためのデロス同盟が結成されたが、この同盟結成は他のポリスに対するアテネの覇権確立を実証することになったものの、反面、ポリス間の分裂抗争を刺激し、対立抗争を激化させることにもなって行く。

どちらが正義か悪か、ではない。歴史の女神はとりあえずアテネの市民に微笑んだのである。

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
昭和22年6月、山形県天童市に生を受ける。法政大学第一文学部中退。地理学、史学専攻。高校が電子工業高校だったためか、理工系的発想で史学を論じる。手始めに佐治芳彦氏と共に「超古代文化論」で縄文文化論を再構成し、独自のピラミッド研究から環太平洋学会に所属して黒又山(秋田県)の総合調査を実施する。以後、環太平洋諸国諸地域を踏査。G・ハンコック氏と共に与那国島(沖縄県)の海底遺跡調査。新発見で話題となる。本業の歴史ノンフイクション作家として、「歴史群像」(学研)創刊に携わって以来、「歴史読本」(新人物往来社)、「歴史街道」(PHP)、「歴史法廷」(世界文化社)、「歴史eye」(日本文芸社)で精力的に執筆、活躍し、『うつけ信長』で「第1回歴史群像大賞」を受賞。「面白いほどよくわかる」シリーズ『日本史』『世界史』『戦国史』『古代日本史』はロングセラーとなる(すべて日本文芸社)。他に『明治維新とは何だったのか?』(日本時事評論社)、『本間光丘』(ダイヤモンド社)など著書多数。歴史コメンテーターとして各種テレビ番組にも出演。幅広い知識と広い視野に立った史論が度々話題となる。NPO法人八潮ハーモニー理事長として地域文化活動でも活躍中。行動する歴史作家である。

いま地球規模の「人類史」という観点からも注目され、一方で一般教養、知識としても人気が高い「世界史」。世界規模の歴史を学ぶ上で大切なのは、歴史を流れとして捉えること、歴史にも原因と結果があり「なぜ」そこに至ることになったのか大もとの理由を理解すること、そして見ただけで忘れないようにビジュアルで視覚的覚えること。本書ではさらにアジアや日本の歴史とその役割にも重点を置き、最新の発見や新しい史論を取り入れた、世界史の学び直しにも、入門にも最適な知的好奇心を満足させる1冊。

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