小さな頼み事をして相手から好かれる魔法
頼み事を受け入れたのは相手が好きだから⁉
職場や学校、サークル活動など社会生活を送る上で、自分の味方となってくれる人は多いほうが何かと心強いもの。もしもあなたの友人に、誰か気に入られたい人がいるのであれば、頼み事をする方法を伝えてみましょう。不思議なことに頼み事をすると相手から好かれやすくなるのです。
古い映画ではピンチに陥ったヒロインをヒーローが助けて「恋に落ちる」という展開がよくありました。そして、同時に「助けたヒーローもヒロインに恋をしてしまう」パターンも多いのです。
ここで起きていることを心理学的に説明しましょう。人は自分の行動をふり返る際、無意識のうちに合理的に考えようとします。つまり、自分は相手に好意があるから助けたのであり、好意のない相手は助けないだろうと考えるのです。もし、嫌いな相手なのに助けてしまうと、その行動に矛盾が生じるからです。このような矛盾を解消するための心の葛藤を認知的不協和理論と呼びます。
これを気に入られたい相手に活用すればいいのです。たとえば、簡単な作業でいいので「締め切りギリギリだから手伝ってもらえないかな?」と頼み事を引き受けてもらいます。すると相手は「なぜこの人の頼みを引き受けたのだろう?」→「嫌いな人であれば受けないはず」と考え、「この人に好意があるから引き受けたのだ」と無意識のうちに自分を納得させてしまうのです。
気に入られたい相手には小さな頼み事を
「会社で同じ部署に気に入られたい先輩がいるんだけどあまり接点がないんだよね…」
「それなら軽い頼み事をしてみるといいよ!」
「先輩! 申し訳ないのですがこの資料群を一緒に32階まで運ぶのをお願いできますか?」
「すごい量だね! もちろん! 一緒に運ぶよ!」
「本当ですか! ありがとうございます! とっても助かります!」
【先輩の無意識】
「なぜ頼みを引き受けたんだろう?」→「嫌いな後輩なら受けないはず」→「この後輩が気に入っているから引き受けたんだな」
【出典】『白魔法の心理学』監修:渋谷 昌三
【書誌情報】
『白魔法の心理学』
著:渋谷 昌三
人間心理を40年以上研究してきた著者が導き出した心理学の真髄!相手の心を傷つけずに動かしたり、自分の身を守る“白魔法の心理学”を身につければ、誰でもストレス0で生きられる!
仕事、家族、友人、知人など、あらゆる人間関係でトラブルやストレスは付きものです。
いつもなんとなく笑顔で流しているけど、思い返してみると「あれ?あの発言って……」とイライラしたり、悲しくなったり、ということもあるかもしれません。
でも、優しい人ほど「何か言って相手を傷つけたくないし、自分は大丈夫」など、自分を納得させる理由を作ってしまいがち。
さらに、誰かに頼られたら助けてあげたいし、その人のためになるなら自分が多少つらくてもやってあげよう、と考える人もいます。でも、お礼も言ってもらえなかったり……。
そういったことを繰り返していると、知らないうちにだんだんと心が疲れている状態になっていることも。
そんな誰かを傷つけたくないけど、ストレス0で自分の心も楽に生きたい、という人に向けて、心理学を40年以上研究してきた著者がたどり着いた、周囲の人も自分の心も癒す”白魔法の心理学”を紹介します。
『NOメリットで相手に親切にしたら”好意の返報性”で100%親切が返ってくる』『悪口を言ってくる人には”自己開示の法則”で距離を縮めると悪口を言われなくなる』など、誰とでもコミュニケーションがうまくいくちょっとした心理テクニックが満載です。
人間関係に悩んでいたり、より良くしたい人にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2025.03.24
