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乱世のはじまり 春秋五覇の台頭【始皇帝の話】

Text:渡邉義浩

春秋五覇が相争い、やがて下剋上の風が吹きはじめる

周(しゅう)王朝の後半の時代は、東周(とうしゅう)と呼ばれます。かつての都が異民族に攻め落とされ、東の洛邑(らくゆう)へと遷都したからです。ここから約500年にわたる長い乱世、春秋(しゅんじゅう)・戦国(せんごく)時代へ突入します。

春秋時代の初期には、まだ周王朝の権威が残っていました。王朝を尊崇する気風が、諸侯たちの間に存在していたからです。異民族の脅威から自分たちの王朝を守るという大義名分のもと、その守護者を決めるための戦いが、諸侯の間で繰り広げられていました。

王朝を異民族から守り抜くために戦うことを「尊王攘夷(そんのうじょうい)」といいます。後年、日本の幕末でも使われた言葉です。

覇者(はしゃ)たちの中の有力者が斉(せい)の桓公(かんこう)、晋(しん)の文公(ぶんこう)などでした。彼らを総称して「春秋五覇(しゅんじゅうごは)」と呼びます。

やがて下剋上の雰囲気が湧き上がります。それまで固定化された身分制度の中でおとなしく過ごしていた人々が、その壁を突き破り、上の地位を狙いはじめました。

また、鉄製農具の普及により農業生産力が飛躍的に向上しました。それまで使われていた青銅器よりも強度を増した鉄製農具が使われはじめます。しかし、同時に生産物をめぐる戦いもまた、熾烈(しれつ)を極めていきます。

春秋五覇:斉の桓公、晋の文公、楚(そ)の荘王(そうおう)、呉王闔閭(ごおうこうりょ)、越王勾践(えつおうこうせん)の名が一般的(『荀子』王覇編)だが、呉王闔閭の子の呉王夫差(ふさ)とする説や、呉越の代わりに、秦(しん)の穆公(ぼくこう)、宋(そう)の襄公(じょうこう)をあげる場合もある。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 始皇帝の話』
著者:渡邉義浩  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1962 年東京生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。文学博士。現在、早稲田大学理事・文学学術院教授。大隈記念早稲田佐賀学園理事長。三国志学会事務局長。専門は古代中国思想史。主な著書・監修本に『眠れなくなるほど面白い 図解 三国志』(日本文芸社)、『始皇帝 中華統一の思想―「キングダム」で解く中国大陸の謎』(集英社新書)、『教養として学んでおきたい三国志』(マイナビ新書)などがある。


紀元前246年、13歳で即位し、史上初めて中国を統一して500年の争乱の歴史に終止符を打った秦の始皇帝。歴史に残るその戦いと数々の偉大な功績、また謎に満ちた生涯、始皇帝を支えた多くの忠臣を、最新研究をもとに図解、イラストを交えてわかりやすく解説する。人気マンガ『キングダム』でも脚光を浴びた「始皇帝」の人物像と中華統一や数々の偉業の謎と軌跡に迫る。

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