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真の覇者を巡る戦国時代【始皇帝の話】

Text:渡邉義浩

戦国の七雄と呼ばれた7カ国は富国強兵に努めた

春秋時代はさまざまな国々が入り乱れて戦う状態でしたが、時が流れて属国化や滅亡の中で国の数も減少していきます。そして晋(しん)が趙(ちょう)、魏(ぎ)、韓(かん)に三分割したことをきっかけとして、戦国(せんごく)時代(紀元前453年〜)が幕を開けます。

戦国時代となると周(しゅう)王朝の権威は失われ、真の覇者を決める争いへと変化しました。「戦国(せんごく)の七雄(しちゆう)」と呼ばれる韓(かん)・魏(ぎ)・趙(ちょう)・秦(しん)・楚(そ)・斉(せい)・燕(えん)の7カ国が有力で、各国は富国強兵に努めました。

青銅器時代から鉄器時代への移り変わりに伴い、剣や刀、槍先(やりさき)、鏃(やじり)など多くが鉄製となり、殺傷能力が飛躍的に向上。手のひら大に裁断した皮革をつづり合わせてつくる、より柔軟性のある甲冑(かっちゅう)も生まれました。

また、戦車を用いた戦い方から、騎馬と歩兵を用いた戦い方へ変わります。鉄製の武器を自在に操る騎兵や歩兵の登場で、見晴らしのよい平原に限られていた戦車での戦いから、戦闘範囲も飛躍的に広がりました。

戦国時代には、貨幣経済も進展。各国とも生産する物品や他国からの流入品に課税し、財政強化を図ります。この時代は単なる乱世ではなく、富国強兵への意志が技術革新を生み、経済活動も活発になった時代なのです。

鉄製の武器:戦国時代に、高温で液体化した鉄を流し込む鋳型(いがた)と鋳鉄脱炭という熱処理技術を用いて、鉄器の大量生産が実現。この鉄製造技術は、ヨーロッパより1800年も先んじていたというから驚きだ。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 始皇帝の話』
著者:渡邉義浩  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1962 年東京生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。文学博士。現在、早稲田大学理事・文学学術院教授。大隈記念早稲田佐賀学園理事長。三国志学会事務局長。専門は古代中国思想史。主な著書・監修本に『眠れなくなるほど面白い 図解 三国志』(日本文芸社)、『始皇帝 中華統一の思想―「キングダム」で解く中国大陸の謎』(集英社新書)、『教養として学んでおきたい三国志』(マイナビ新書)などがある。


紀元前246年、13歳で即位し、史上初めて中国を統一して500年の争乱の歴史に終止符を打った秦の始皇帝。歴史に残るその戦いと数々の偉大な功績、また謎に満ちた生涯、始皇帝を支えた多くの忠臣を、最新研究をもとに図解、イラストを交えてわかりやすく解説する。人気マンガ『キングダム』でも脚光を浴びた「始皇帝」の人物像と中華統一や数々の偉業の謎と軌跡に迫る。

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