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かつての秩序を求めた孔子(こうし)と儒家【始皇帝の話】

Text:渡邉義浩

孔子は周初期への回帰を理想として掲げた

儒家の始祖たる孔子(こうし)は紀元前551年頃、魯国(ろこく)に生まれました。この魯国は周公「しゅうこう=周公旦(たん)」の子が興した国。かつての周王朝のはじまりにあったような、支え合いと秩序のある氏族制社会に回帰しよう、というのが孔子の教えでした。

孔子は、人を愛する「仁(じん)」を重んじるように説きます。博愛的な愛ではなく、あくまでも氏族を基本として同じ宗族の者同士は仲良くしようというのが「仁」です。

その「仁」の基本にあるのが「孝(こう)」。これは子どもから両親への愛を基本として、それを宗族全体にまで拡大させて、皆を大家族として守り合い、支え合って生きていこうとする考え方です。

後に儒家は、孟子(もうし)と荀子(じゅんし)という二人の思想家を生みます。孟子は、君主がよい政治を行なえば、人々はおのずと感化されて、礼を尽くすと説きました。

対する荀子は、礼を尽くさせることを教えるべきだと、形式を重視する姿勢を主張します。

これら儒家の思想は、法家思想の全盛期であった戦国時代には評価されませんでした。しかし時代が下り、前漢・後漢を通じて広く認知され、やがて国教化。中国思想の根幹たる思想となっていきます。

儒家:周王朝初期への復古を理想として身分制秩序の再編と仁道政治を掲げた孔子。孔子の死後に、その教えを編纂(へんさん)したものが『論語』である。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 始皇帝の話』
著者:渡邉義浩  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1962 年東京生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。文学博士。現在、早稲田大学理事・文学学術院教授。大隈記念早稲田佐賀学園理事長。三国志学会事務局長。専門は古代中国思想史。主な著書・監修本に『眠れなくなるほど面白い 図解 三国志』(日本文芸社)、『始皇帝 中華統一の思想―「キングダム」で解く中国大陸の謎』(集英社新書)、『教養として学んでおきたい三国志』(マイナビ新書)などがある。


紀元前246年、13歳で即位し、史上初めて中国を統一して500年の争乱の歴史に終止符を打った秦の始皇帝。歴史に残るその戦いと数々の偉大な功績、また謎に満ちた生涯、始皇帝を支えた多くの忠臣を、最新研究をもとに図解、イラストを交えてわかりやすく解説する。人気マンガ『キングダム』でも脚光を浴びた「始皇帝」の人物像と中華統一や数々の偉業の謎と軌跡に迫る。

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