自己効力感を高めればポジティブ思考に変わる
人は誰でも「自分はできる」「自分はダメだ」という相反する気持ちを抱えています。生きるうえではどちらの感情も必要であり、そのバランスによって「自信のある人」「消極的な人」などの人物像が決まります。
「自分はダメな人間だ」という思考から抜け出したいという場合、「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」を高めることが役立ちます。
自己効力感とは、カナダの心理学者バンデューラが唱えた感覚で「自分にはできるだろうと予期する感覚」です。バンデューラはこれを高めるための4つのポイントを挙げています。もっとも重要なのは「達成体験」または「成功体験」です。自分で達成したことを改めて思い出してみてください。
次に、誰かが成し遂げた様子を見て自分にもできそうと感じる「代理体験」。そして「言語的説得」。これは「あなたならできる」という言葉によって励まされることです。
さらに「生理的情緒的高揚」。苦手な場面を克服できたという事実によって気持ちがあがるというもので、最初の「達成体験」に通じるものがあります。つまり、いきなり大きなことを目指さず、できそうなことを成し遂げて達成体験を積み上げることが、自己効力感を高め、ポジティブ思考を手に入れる近道です。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 心理学の話』
【書誌情報】
『図解 心理学の話』
著者:渋谷昌三
「心理実験で本当の自分がわかる!」「イエスと言わせる交渉術とは?」「恋が長続きする魔法の法則は?」 ヒトの心と行動の謎をトコトン解説! ストレスフルな毎日、いつの時代も悩みが尽きない“ヒトの心”の謎。なぜか攻撃的な人の心理状態、苦手な人との心の距離の置き方、好きなあの人は何を考えているの?……。わたしたちの身近にあふれる心の謎を、さまざまな心理実験や図解、イラストを交えて分かりやすく解説します。心理学とは、人の心のしくみを知る科学のこと。本当の自分を知る方法から、人間関係の悩みを解決するスキル、気になる人の気持ちをつかむ恋愛テクニック、自分の評価を上げる心理ワザまで、日常生活やビジネス、恋愛で使える心理学の法則や最新テクニックが楽しくわかります。知っておきたい心理学の知識が満載です。
公開日:2022.03.10
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