味方の後方支援ばかりに頼っていると大きな心配を抱え込むことに
いつの時代の戦争も補給は悩ましい問題で、孫子の時代も、兵や馬の水、兵糧、飼い葉、武器・武具などが必要だった。これらをすべて本国から運ぶのでは人手も時間もかかる。敵の遊撃部隊や野盗に襲われる危険も考慮に入れれば、護衛にも多数の兵を割かねばならず、効率の悪いことこの上なかった。
本国からの輸送には、これ以外にも問題がある。前線への補給が最優先となれば、本国では物資が不足し、物価が高騰する。物資の価格が高くなれば国庫への影響も大で、長期戦ともなれば国庫が枯渇する恐れもある。そのツケは徴税の強化として民衆にまわされ、全国人民の困窮化が避けられなくなる。
このような悪循環を回避する手段として、孫子は現地調達の原則を打ち出した。戦費は本国で調達するが、物資の購入は占領地で行なう。敵が倉庫や田畑を焼き払う焦土戦術に出ればお手上げだが、幸いにして孫子の時代にはそこまで非情な手段をとる者はなく、不作でもないかぎり占領地での現地調達が可能だった。
ただし、現地調達はいつの世、どの場所でも有効なわけではない。先の大戦で日本軍が実行したインパール作戦はそのよい例で、補給を無視した作戦計画が強行されることになった。現地調達の限界も重要なこととして覚えておかねばならない。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 孫氏の兵法』 監修:島崎晋
『孫氏の兵法』はこんな人におすすめ!
・孫氏の兵法を勉強してみたい
・ビジネスで役に立つ考え方を知りたい
・勝負ごとに勝つための思考を身に着けたい
以上の方には「図解 孫氏の兵法」は大変おすすめな本です。
「孫子の兵法」を集めた『孫子』が編纂されたのは今から2500年以上も前です。それが今なお読み継がれている理由はずばり、
現代社会の様々な場面で応用が利くからです!
孫氏の兵法が出された時代は戦争の真っただ中でした。ですので、孫氏の兵法は「いかに勝負ごとに勝つのか」という点に集中しております。翻って現代社会に目を向けると様々な勝負ごとがあります。身近な例でいえば、受験戦争や職場での出世競争、スポーツ競技、自然災害の克服など、現代人は多くの勝負事を避けて通ることができません。
本書では、多くの人が知っておくべき「孫氏の兵法」について、徹底的に解説します。現代の社会にも十分に通用し、今なお多くの人が参考にしている孫氏が編み出した考え方を一緒に学び、厳しい現代社会に生きる上での活路を見出しましょう。
何事にも二面性があることを忘れてはいけない!
様々な教えがある「孫氏の兵法」ですが、ここでは「利に雑うれば、故ち務め信なる可し」という教えについて解説します。
物事には例外なく、「利益と害悪の両面」があります。利益だけに目を奪われていては、いつか必ず大きな失敗をするし、逆に害悪ばかりを気にしていると、何一つ事が進捗しませんしかし、知恵ある人間は、常に「利益と害悪の両面」を考慮に入れながら行動をするので、さしたる困難に直面することなく、物事を計画どおりに進めることができるのです。
過信せずに用心し続けることの大切さ
またこの部分で孫氏は、「過信は慎重さを失わせる」とも説明しています。人間は、どんなに教養や経験を積もうとも、それに比例して思慮深くなるとは限りません。むしろ過信に走る者のほうが多く、そこにつけ入る隙が生じてしまいます。ゆえに本当に見識のある人間は、聞き心地のよい言葉を並べ立てられたときは警戒心を募らせ、相手の術策にはまらぬよう用心します。
シリーズ累計220万部は伊達じゃない!豊富に使われた図解の圧倒的わかりやすさ
「図解 孫氏の兵法」」と銘打っているだけあって、図解がふんだんに使われています。
右ページに文章、左ページに図解で解説という形で全頁が構成。
さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!
この「眠れなくなるほど面白い図解シリーズ」は220万部を突破している大ヒットシリーズです。
日々の生活の必須知識として家に置いておきたい一冊!
ビジネスや勝負ごとに臨む際、「孫氏の兵法」はとても参考になります。この厳しい現代社会を生き抜くうえで必ずやあなたの助けになってくれるはずです。この一冊を読んで、一緒に孫氏の考えの神髄を学びましょう!
現代社会に役立つを考え方が満載の1冊!ぜひ『眠れなくなるほど面白い 図解 孫氏の兵法』をご一読ください!
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 孫子の兵法』
著者:島崎晋
新紀元前500年頃、孫武が勝負は運ではなく人為によるとし、その勝利の法則を理論化した兵法書。情報分析や見極め、行動の時機やリーダー論等、現代に通じるものとして今も人気が高い。「名言」を図解でわかりやすく紹介する。
公開日:2022.12.07