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パンジーにビオラ、色とりどりの花びらがひと足先に春を連れてくる|大寒【二十四節気 暦のレシピ】

Text:制作・文:猪飼牧子 撮影:清水美由紀

明日1月20日から二十四節気は大寒(だいかん)です。

大寒 節の話

昼の気温もあまり上がらず、冷え込みが厳しい冬の最中。大寒は春からはじまる二十四節気の締めくくりの節です。

咲く花も少ない時季ですが、冬の間にも目を楽しませてくれる植物にパンジーやビオラがあります。色とりどりの花色は目にも鮮やかで、寂しい冬の景色を彩ります。

パンジーはスミレ科スミレ属。ヨーロッパに自生していた野生のスミレを品種改良した園芸品種です。大輪のものは花の大きさが10センチに及ぶこともあります。その中でも小型の品種をビオラと呼んでいましたが、交雑が進み、判断が難しくなっています。真冬の寒さにあたっても活動を再生する力があるくらい丈夫なので、初心者の方でも育てやすい植物です。

園芸用としての扱いが多かったパンジーですが、花束にもできる茎の長い品種も増え、エディブルフラワーとして無農薬栽培されたものも出まわり、多種多様に楽しめるようになりました。

パンジーの原種であるスミレは世界各国に自生している野草で400種ほどあるといわれています。花は2センチくらい、背丈は10センチにも満たない小さな野草です。

日本原産のスミレも多くあり、山間部から都会の道ばたまで多くの場所で出会うことができます。スミレの花と若葉は山菜としても使われており、江戸時代の料理本にはすでに干してから和え物などに使っていたという記載も。ひっそりと道の片隅に咲くスミレは、園芸種のパンジーやビオラに比べると華やかさには欠けますが、どこか日本的で素朴な風情に心が癒されます。

<暮らしのアイデア>抗菌作用のある精油を上手に取り入れて風邪やウイルス対策を

インフルエンザや風邪の流行る季節は、抗菌作用のあるティーツリーやラヴィンツァラ、ユーカリラディアータなどの精油を暮らしに取り入れてみましょう。

テーブルやマスクなどにひと吹きする場合は、アロマスプレーが便利。部屋全体の空気をきれいにしたい場合は、超音波やランプなどで香りを拡散し続けるディフューザーがおすすめです。

作り方は、煮沸消毒した遮光瓶に無水エタノール5mlを入れ、好みの精油を10滴垂らし、精製水45mlを加えるだけ。直射日光、高温多湿を避け、冷暗所で保管し、2~3週間で使い切りましょう。

*精油の効用と使用上の注意は『二十四節気 暦のレシピ』P.214~220を参照してください。
●ティーツリーは、ごく稀に接触性皮膚炎が起こる可能性があります。●ラヴィンツァラは、皮膚刺激が強いので、濃度に注意しましょう。●ユーカリラディアータはユーカリグロブルスのほうが薬効は高いが、その分刺激も強くなるので用途により使い分けましょう。グロブルスは胃腸、胆道の炎症性疾患、重度の肝臓疾患の方は使用を避けてください。

【書誌情報】
『二十四節気 暦のレシピ』
猪飼牧子・清水美由紀 著

書籍『二十四節気 暦のレシピ』

古くから季節を表す言葉「二十四節気 七十二候」をテーマに、季節の移り変わりを花や植物で感じながら、ものづくりの楽しみを提案。小さな変化を繰り返しながら、季節とともに四季をたどっていく植物。その時季の植物をアレンジメントや料理やおやつに生かしたり、心と体を健やかするハーブやアロマを活用したり、ちょっとしたおもてなしの小物をつくったり。二十四節気を植物とものづくりで体感できるアイデアとレシピ120を紹介します。

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