旅先での刺激と開放感が心をラクにす
精神科の患者さんを診ていると、旅行に行くことでうつなどの精神症状が改善する方が多いようです。旅の醍醐味ともいえる、日常では味わえない刺激と開放感が、心の重圧をときほぐし、精神をラクにしてくれるのでしょう。
特にうつの症状をやわらげるには、日光照射量の多い場所がおすすめ。例えば、明るいビーチに降り注ぐ陽光をたっぷり浴びれば、心身ともにリフレッシュされ、気分の回復も期待できます。
とはいえ、現実には仕事や家庭の事情などもあり、思うように旅へ出られるわけではありません。そこでおすすめしたいのが、心の中で非日常の旅を満喫し、過酷な現実からの逃避をはかる「真夏のリゾート法」というメソッドです。これはドイツの精神科医ヨハネス・ハインリヒ・シュルツが提唱した「自律訓練法」という有名なリラクゼーション技法をベースに、私なりのアレンジを加えて完成させたものです。
青い空と海が広がるリゾート地で、デッキチェアに身をゆだねた自分を想像するところからスタートします。昼休みのオフィスや、入浴中、就寝前のリラックスタイムなど、イマジネーションがはたらく環境ならどこででもできます。「心がきついな」「ストレスがたまってきたな」と感じたら、心のリゾートへ出かけてください。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
【書誌情報】
『図解 ストレスの話』
監修:ゆうきゆう
「ストレス社会」といわれている現在、科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。特に最近では、新型コロナウイルスの影響でこれまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2022.08.17