映画を観るように「今ここにいる自分」を観察
自分の気持ちがネガティブになりそうなとき、試していただきたいのがマインドフルネスです。 マインドフルネスとは「いま自分が何をしているか」「何を感じているか」を自覚することで、心の苦しみをやわらげる認知療法のひとつ。自分の置かれた状況を明確にすることで、落ち込みそうな気分に待ったをかけられます。
ちなみに、自分について気づいている状態がマインドフル、マインドフルネスはその名詞形です。さらに、意識しないうちに時間が過ぎているような、我を忘れた状態をマインドレスです。
マインドフルネスのやり方はとてもシンプル。「テレビを見ている」「ウキウキしている」など、今の自分の行動や気持ちを言葉にするだけです。言葉で実況することで、より客観的に自分を観察できます。それは映画の観客のように、少し離れた所から自分を見ている感覚です。このとき大切なのは、何も変えようとしないこと。見たこと、感じたことに対して批判したり、思いを否定したりする必要はありません。ただ観察するだけです。
「また失敗した。どうしよう」と悩むのではなく「失敗をして不安なんだな」「失敗を責められるのが怖いんだな」と冷静に心の内を言葉にしてみます。すると感情の高まりが抑えられ、心が少しラクになるはずです。このような手法を習慣化できれば、出口の見えない苦悩も回避できるでしょう。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
【書誌情報】
『図解 ストレスの話』
監修:ゆうきゆう
「ストレス社会」といわれている現在、科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。特に最近では、新型コロナウイルスの影響でこれまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2022.08.20