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人間は矛盾してしまう生き物なのか?心理学でも特に有名な「囚人のジレンマ」とは?【社会心理学】

Text:亀田達也

ジレンマに陥る仕組みとは?

人は社会の中で生きていく上で、様々なジレンマに直面します。その中のひとつを説明する事例に、囚人のジレンマ(板挟み状態)ゲームがあります。ある事件で共犯の疑いをかけられたふたりの男を逮捕し、別々に取り調べを受けさせます。簡単には自白しない男たちに対し、検事がある司法取引を持ちかけるのです。

ふたりともこのまま黙秘したら、どちらも懲役3年、片方が自白したら、自白したほうは不起訴で、もう一方は無期懲役。両方が自白したらともに懲役10年とする。――この条件を出された囚人は悩みます。もうひとりの相手がどうするのかがわからない状況で、悩みは深まることでしょう。

しかし、実はこのゲーム、内容を整理してみると、自白してしまったほうが結果的には得になるのです。相手が黙秘した場合、自分が黙秘すると懲役3年で自白すると不起訴、相手が自白した場合は、自分が黙秘すると無期懲役で自白すると懲役10年という具合です。

ここでジレンマが生じるのは、相手がどんな行動をとるか、信用できないからに他なりません。そして、もうひとつ考えなければならないのは、黙秘するということは、相手の選択に対して「協力する」という意味合いを持つことです。結果的に自分が損をする可能性があっても、人は相手に協力してしまうことがあります。これは、同じようなゲームを、1回限りではなく、何度も繰り返し行うことで、顕著に表れてきます。このことから、人は長く付き合う相手に対し、協力的になりがちだという側面が見えてきます。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 監修:亀田達也

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

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