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ジハード(聖戦)は、なぜ行なわれる?【世界の宗教】

Text:星川啓慈

信仰や共同体を守ったり発展させたりするため

「ジハード」というと、すぐに自爆テロなどを連想する人も多いと思います。しかし、イスラム教のなかで最も誤解されがちなのが、この言葉ではないでしょうか。

一般的にジハードは「聖戦」と訳されています。しかし、本来の意味するところは、「信仰やイスラム共同体(ウンマ)を守ったり、発展させたりするために、積極的に行動し、努力し行動すること」なのです。

キリスト教徒と戦った十字軍も、ジハードの一つといえます。

ジハードについては、次のような戦いと規定されます。

●アッラーの道を守るため

●平和や信仰の自由を取り戻すため

●暴虐(ぼうぎゃく)から解放のため

●宗教上の指導者に指揮されたとき

また、このほかに、敵が降伏したら戦いをやめる、女性や子ども、老人などの弱者に危害を加えない、ということも規定されています。『クルアーン』には「戦いをしかけてはならない」という文言もあり、平和なイスラム社会を守るために努力することこそが、本当のジハードだということなのです。

ただイスラム教では、ジハードのほかに、「悪魔の戦争=邪悪な戦い」もあるとされています。これは、領土の拡大や弱小民族の征服などの戦いがあげられます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の宗教』
監修:星川啓慈 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1956年生まれ。1984年、筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程単位取得退学。1990年、日本宗教学会賞受賞。現在、大正大学文学部教授。博士(文学)。専門は宗教学・宗教哲学。主な著書に、『言語ゲームとしての宗教』(勁草書房、1997年)、『宗教と〈他〉なるもの』(春秋社、2011年)、『宗教哲学論考』(明石書店、2017年)、『増補 宗教者ウィトゲンシュタイン』(法藏館、2020年)など。


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