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ムスリムだったらあたり前のことは?【世界の宗教】

Text:星川啓慈

1日に5回の礼拝と毎週金曜日には合同礼拝

ムスリムは、どのようなことがあっても1日に5回、礼拝を行なうことが決められています。これは、ムスリムが果たすべき五つの義務(五行)のうちの一つです。ムスリムにとって礼拝は、アッラー(神)を常に意識するとともに、神との交流をはかる儀式だからです。

礼拝は、下図にあるような時間に、決められた手順に従って行なわれます。この一連の手順を「ラクア」と呼んでいます。

礼拝のときには、清潔な服を着用し、靴を脱ぎます。そして、事前に流水で身体の汚れを洗い落としたのち、礼拝に臨みます。

そのとき、必ずメッカの方角を向くことになっています。

また、毎週金曜日の昼には、モスクでの合同礼拝を行なうことになっています。これは、すべての成人男子に義務づけられていています。このためイスラム諸国では、この時間帯は会社も一時休業となります。

礼拝と同じように、ムスリムが果たすべき義務の一つが喜捨(きしゃ)です。自分よりも物質的に恵まれない人を援助することが喜捨で、これは『クルアーン』にも明確に述べられています。現在では、一種の税制のような体系となっており、通貨や商品、家畜や農作物などが喜捨の対象となっています。

喜捨は、その人の寛大さや誠意を形として表すもので、正義を実践することの証しでもあります。ムスリムである限り、これを否定することはできないのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の宗教』
監修:星川啓慈 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1956年生まれ。1984年、筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程単位取得退学。1990年、日本宗教学会賞受賞。現在、大正大学文学部教授。博士(文学)。専門は宗教学・宗教哲学。主な著書に、『言語ゲームとしての宗教』(勁草書房、1997年)、『宗教と〈他〉なるもの』(春秋社、2011年)、『宗教哲学論考』(明石書店、2017年)、『増補 宗教者ウィトゲンシュタイン』(法藏館、2020年)など。


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