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自分の最寄り駅はなぜ急行が停まらない!?急行が停まる停車駅を決めるカギは「利便性UP」と「乗客の確保」!【図解 鉄道の話】

Text:綿貫 渉

駅の利用者数だけで決めない

鉄道には快速や急行などが停まる駅、停まらない駅があります。こうした停車駅はどのように決められているのでしょうか。駅の利用者が多く、大きな商業施設があれば必ず電車が停まる駅になるかといえば、決してそんなことはありません。たとえば、横浜駅で他社線への乗り換えを防いで自社線を長距離利用してもらう狙いで、あえてここを通過する列車も存在します。郊外地域では当然ながら列車の本数自体が少なくなります。だからといって利用者が少ない駅をすべて通過してしまうと、路線の利用価値が下がってしまい、他の手段を利用する人も出てくるでしょう。

そこで単純に駅の利用者数を決めるのではなく、快速などの優等列車と各駅停車の接続、沿線の商業施設の利用者数などの状況も考慮しながら、停車駅を決めているのです。また、速達性を重視するために列車種別を細かく分け、快速などの優等列車と各駅停車を分散させる方法もあります。近距離の客と遠距離の客を分離することで、混雑を避ける狙いがあるのです。このように単純に駅の利用者数で停車駅を決めているわけではないので、もし不思議に思う駅があれば、こうした事情から決められた結果かもしれません。

路線の特色が停車駅を決めるカギ

郊外と都市をつなぐ路線には、各駅停車や急行、快速など停車駅が異なる場合も。停車駅を決めるときには、駅の大きさや利便性の向上などを複合的に判断しています。

郊外に通過駅が多く、都市部で各駅停車となる路線→郊外から都市部への通勤・通学に利用する乗客が多い!

郊外に通過駅が多い

・乗客を分散させて混雑を緩和させる。
・所要時間の短縮

都市部は各駅停車になる

主要駅での乗り換え時に、混雑を緩和させる狙い。

郊外に各駅停車が多く、都市部で通過駅が多くなる路線

郊外は各駅停車

・郊外の利用者が少なく、できるだけ乗客を多く集めたい。
・都市部への長距離移動をサポート。
・各駅停車にして運転本数を減らす鉄道会社の狙い。

都市部で通過駅がが増える

運転本数を増やすことで乗客を確保し、所要時間を短縮する狙い。

路線の特色が各駅停車を決める『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』

利用者の移動距離でターゲットを分けている

小田急電鉄の例『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』

小田急電鉄は快速急行や各駅停車のほかにも、特急(ロマンスカー)、急行、通勤急行、準急、通勤準急の種別を設け、利用者の移動距離に合わせた列車を走らせています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』 綿貫 渉

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
綿貫 渉 著

通勤・通学、旅行・おでかけ…私たちは普段何気なく電車や駅を利用していますが、なぜ安全に時間通りに運行できるのか、遅延や事故・トラブルの際はどう対処しているのか、意外と知らないことも多い鉄道の話。本書では、今さら聞けない基本的なしくみから、知るほど面白い鉄道の歴史まで、図解やイラスト付きでわかりやすく解説します。

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