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地下鉄の車両はどうやって地下に運ばれるのか?新たに開通した路線ほど地下深くにつくられる!?【図解 鉄道の話】

Text:綿貫 渉

他の埋設物を避けてどんどん地下へ

最大で地下40m以上の深い場所を走る地下鉄。車両はどこでつくられ、どうやって地下へと運ばれているのでしょうか。電車の車両製造工場は国内に複数存在しており、そこでつくられた車両は貨物列車として機関車にけん引されたり、トレーラーに乗せられたりして、所属する路線まで運ばれます。そして主なケースでは地上を走っている区間がある地下鉄はそこから列車を搬入します。

一方、地上を走る区間のない路線で車両基地が地上にある地下鉄であれば、地下に向かってトンネルが設けられており、そこから車両を搬入します。そもそも車両基地が地下にある場合もあり、その場合は付近に車両の搬入口が設置されていて、大型クレーンを使用して車両を1両ずつ降ろしていくのです。

日本一の深さを誇る地下鉄の駅は都営地下鉄大江戸線の六本木駅で、地上からホームまでの深さは最大42.3m、ビルの高さにたとえると約10階分になります。これは大江戸線が後発の路線であるうえ、ほかの路線と交差する箇所が多かったから。なかでも六本木駅はほかの埋設物との兼ね合いもあって、最も深い場所につくらざるを得なかったのです。ちなみに大江戸線の六本木駅は、ホームから地上に出るまで平均して6分ほどかかるといわれています。

地下鉄の車両はどうやって地下に運ばれるのか

すべての鉄道路線は車両基地を持っており、車両は基地から路線へと運ばれます。路線も車両基地も地下にある路線では、車両を移動させる搬入口が地上に設けられており、そこから1両ずつ搬入されていきます。

地下鉄の車両はどうやって地下に運ばれるのか

大型クレーンで1両ずつ地下の車両基地へ運ぶ

基地内で車輪の取りつけ、車両の連結を行う

地下鉄はどんどん地下深くにつくられる

地下深くにある駅トップ5

1位・・・六本木駅(都営地下鉄大江戸線、42.3m)
2位・・・東中野駅(都営地下鉄大江戸線、38.8m)
3位・・・国会議事堂前駅(東京メトロ千代田線、37.9m)
4位・・・後楽園駅(東京メトロ南北線、37.5m)
5位・・・新宿駅(都営地下鉄大江戸線、36.6m)

地下深くにある駅トップ5

都営地下鉄大江戸の六本木駅を降りて地上に出るまではエスカレーターを乗り継いでおよそ6分かかります。新たに開通した路線ほど、地下深くにつくられる傾向があります。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』 綿貫 渉

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
綿貫 渉 著

通勤・通学、旅行・おでかけ…私たちは普段何気なく電車や駅を利用していますが、なぜ安全に時間通りに運行できるのか、遅延や事故・トラブルの際はどう対処しているのか、意外と知らないことも多い鉄道の話。本書では、今さら聞けない基本的なしくみから、知るほど面白い鉄道の歴史まで、図解やイラスト付きでわかりやすく解説します。

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