駅員や車掌の経験を経て運転士に
鉄道運転士は「動力車操縦者運転免許」を取得しなければなりません。免許を得るには鉄道会社に就職し、駅員や車掌として勤務するなかで、乗客はどういったものを求めているのかを数年間かけて学びます。そのうえで、国土交通省認可の養成施設教育訓練を受ける必要があります。まず鉄道の専門学校に行かないと鉄道運転士になれないと思っている人もいるかもしれませんが、実はそれ以外からの採用も多く、大卒者の割合も増えています。
身体的な受験資格では、視力(矯正視力を含む)が両眼で1.0以上、片眼でそれぞれ0.7以上であること。正常な視野を有し、色覚が正常であること。聴力では両耳ともに5m以上の距離で、ささやく言葉を聴取できること。そして操縦に支障を及ぼす疾患や身体機能の障害がなく、アルコールなどの依存症状がないことが挙げられています。また、気になる給料についてですが、厚生労働省の「令和3年度賃金構造基本統計調査」によると、鉄道運転士の平均年収は40.3歳で約615万円となっており、高く感じるかもしれません。ただし、ほとんどの場合、新卒で入社後すぐではなく、年功序列で基本給が上がってから鉄道運転士になるうえ、残業時間が長い場合もあるため一概に比較はできません。
運転士になるまでのプロセス
①鉄道会社に就職
②駅員
③車掌
④運転士
運転士になるためには、まずは鉄道会社に就職する必要があります。入社後は駅員や車掌を経験し、適性検査で適性があれば、8~9カ月ほど養成所で訓練を受け、受験資格を得ることがきます。受験に合格して、ようやく運転士になれるのです。
鉄道運転士になるにはたくさんの条件がある
電車の運転士になるには、資格や実務経験だけでなく身体的にクリアしていないといけない条件もあります。いくつかの例を紹介します。
養成施設で教育訓練を受け「動力車操縦者運転免許」を持っている。
両眼視力1.0以上(片眼それぞれ0.7以上)。
視野、色覚に異常がない
5m以上離れた場所から発せられたささやき声程度の音を聞き取ることができる。
アルコールの依存の症状がない。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』綿貫 渉
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
綿貫 渉 著
通勤・通学、旅行・おでかけ…私たちは普段何気なく電車や駅を利用していますが、なぜ安全に時間通りに運行できるのか、遅延や事故・トラブルの際はどう対処しているのか、意外と知らないことも多い鉄道の話。本書では、今さら聞けない基本的なしくみから、知るほど面白い鉄道の歴史まで、図解やイラスト付きでわかりやすく解説します。
公開日:2023.07.20