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太陽の寿命、残りはどれほどあるのか?【地学の話】

太陽は中規模サイズの星、大質量の星ほど短命だ

太陽では中心部で高温・高圧のために水素がヘリウムに変わる核融合反応が起き、その反応により光り輝いています。一方、惑星は大きさが小さいために中心部で温度も圧力も高くなることはなく、核融合反応が起きないために「恒星」になれず、「惑星」として留まってしまったのです。

さて、核融合反応は水素を燃料としているため、燃料が尽きてしまえば寿命を迎えることになります。この寿命はどのくらいあるのでしょうか?宇宙には太陽の10倍、100倍もの大きな質量の星が存在しています。もしかして燃料の豊富な大きな星が長寿命?

面白いことに大きな質量の星は内部がより高温・高圧になり、効率的に核融合反応が進むためにすぐに燃え尽きてしまいます。ところが、小さな星はゆっくりと反応が進むために、しぶとく輝き続けることになるのです。

太陽の3倍の質量の星では10億年、25倍の質量の星はなんと数百万年、という短い一生となります。ちょっとむかしのどこかの国の車は大きく、したがって燃料タンクも大きく、がぶがぶガソリンを消費したのに対して、当時の日本車は小型で燃料タンクも小さいために燃費が良く走り続けていた……ウーン、似ているかも。

ところで、私たちの太陽は星としては中規模のサイズ(図2)。理論的な計算によるとその寿命は100億年以上あります。現在生まれてから46億年経っているので、あと少なくとも50 億年以上は光り続けているはずです。

地球の表層環境は太陽の光のエネルギーによって支えられているため、太陽の今後は地球の今後に大きな影響を持っています。太陽は核融合反応が進むにつれて内部は高温になっていき、しだいに膨らんでいきます。終末期にはその直径はなんと現在の100倍もの大きさに達します。これは現在の水星の軌道を優に超える大きさです。当然地球が受ける太陽のエネルギーは距離が短くなるために大きくなり、表面は高温になることが予想されます。

また、こんなに大きくなると太陽の外縁部から太陽を構成していた水素があふれ出し、周辺は過酷な環境になります。いずれにしても地球の将来は、明るすぎる太陽のもとで大変暗い!

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』

【書誌情報】
『図解 地学の話』
著者:高橋正樹 他

地学は「地球を対象とする自然科学」の学問。ジャンルが幅広く興味深い話題も多い。地球の誕生から、火山や地震のメカニズム、異常気象や天気図、地層・化石まで、「地球物地学」「火山学」「気象学」「地質学」の4テーマに分けて解説。図解で楽しくわかりやすく勉強になる1冊。

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