地球生物は25億年後に絶滅の危機を迎える
最後に、地球のこれからについて考えてみましょう。鍵を握るのは太陽です。
太陽の寿命は約100億年と考えられていて、あと50億年ほどで終末期に入ります。すると太陽は「赤色巨星化」し、膨れ上がります。それにより表面積が広くなり、光量も熱量も増加し、放出されるエネルギーも増大。
その結果、太陽系の惑星は大気をはぎ取られたり、吹き飛ばされる可能性が考えられます。
当然、地球の気温も上昇します。
大気中の水蒸気が増加するとともに二酸化炭素が減少するので、植物が減って動物も生きていけなくなります。
25億年後には地球の気温は100度以上に達して、地球上のすべての生物が絶滅してしまうと考えられるのです。
そして太陽が現在の200倍まで膨張すれば、地球は太陽に飲み込まれることになります。
ただ、太陽の内部の構造についてはいまだわからないことが多いため、現段階では太陽のこれからについては予測することは難しいのです。
事実、地球は太陽に飲み込まれずにすむ、という説もあります。
一方で、天の川銀河そのものもいずれ、アンドロメダ銀河と衝突・合体すると考えられています。
コンピュータでシミュレーションしてみると、2つの銀河は約40億年後に衝突し、20億年かけて合体。もし正面衝突すれば、1個の巨大な楕円銀河になると予測されています。
しかし、銀河同士が衝突しても星と星の間は非常に距離があるため、星同士の衝突はないとみられています。
シリーズ累計220万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
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気になる中身を少しだけ紹介①!「もし月がなかったら地球はどうなる?」
惑星と衛星がお互いにこれほど作用し合うのは、太陽系では地球と月だけと考えられています。そんな月がなかったら、海の満潮、干潮はもちろんのこと、地球はいまのような「命の惑星」ではなかった可能性があります。
たとえば、月の潮汐力は地球の自転スピードを遅くする作用をしています。もし月がなかったら、地球は1日8時間という猛烈なスピードで回転していたと考えられます。
そうであれば地表も海も大荒れの状態で、もし生命が誕生できたとしても、現在の人類のような進化は望めなかったでしょう。
もし月がなかったら、地球の自転軸は不規則に変化し、大規模な気候変動が起こっていたはず。このように唯一の衛星である月こそが、地球に生命の誕生をもたらしたと考えられるのです。
気になる中身を少しだけ紹介②!「宇宙の膨張は加速しているってホント?」
宇宙が膨張していることが明らかになったのは、1920年代のことです。いずれ膨張のスピードは落ち、やがて収縮していくのではないかと考えられていました。ところが、1998年。驚くべき発見がありました。それは宇宙の膨張は遅くなるどころか、加速しているというものでした。
さまざまな観測結果から、ダークエネルギーは水素やヘリウムなどの通常の物質の約18倍、ダークマターの約3倍存在すると考えられていますが、多くのことはわかっていません。しかし、このダークエネルギーが膨張する宇宙の未来に関わっていることは間違いありません。
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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一
地球は宇宙のどこにあるの? 太陽が巨大化するってホント? 宇宙はいくつもあるの? 素朴なギモンに即答.。宇宙のナゾに迫る! 地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、約50のテーマで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2022.10.10